【オフィシャルレポート】舞台『いい⼈間の教科書。』キャストコメント&ゲネプロの様子が到着︕

Allen suwaru プロデュース公演『いい⼈間の教科書。』が 2023 年 2 ⽉ 8 ⽇(⽔)より開幕。
第 4 回⽬の挑戦となる今回は、なんと先⾏発売分のチケットが即⽇完売し、急遽増席するほどの期待が集まっている。そんな本作のゲネプロの様⼦と、⽵中凌平(劇団アレン座)、栗⽥学武(劇団アレン座)、⾜⽴英昭、佐藤弘樹、森⽥晋平らのキャストコメントが到着した。

『いい⼈間の教科書。』(以下、イイショ)は⾯識のない 5 ⼈の男たちが密室空間に拘束され、“いい⼈間”を⼀⼈だけ決めて脱出するというシンプルな構成の舞台だ。ただし脱出できるのはいい⼈間⼀⼈だけで、残った⼈々の⽣死はどうなるのかはわからない。このとてつもなく理不尽な状況下で、男たちは⾃分がどれだけいい⼈間か、他⼈が普段どれだけ罪深い⾏動をとっているかを話し合っていく。⽣死がかかっているために、男たちの精神状態はどんどん悪いほうへ傾き、途中から罵倒し合うほどにヒートアップ。しかしこの混沌とした会話のやり取りこそがイイショの⾒どころでもある。⾃分でも気づいていなかった潜在的な罪が他⼈によって暴かれ、⼼の中の⽴ち⼊ってほしくなかった部分に⼟⾜で踏み込まれる場⾯を⽬の当たりにした観客たちは、彼らに感情移⼊をせざるを得ないからだ。きっとこれまでの⾃分の⼈⽣と照らし合わせてしまい、⽬の前の男たちにどんどんのめり込んでしまうことだろう。

また本作の登場⼈物は出演俳優と同名で、俳優⾃⾝が『どこかのタイミングで違う⼈⽣を選択した⾃分』と仮定して演じている。並⾏世界的なこの設定には共通点もあるが全く予想できなかった相違点もある。“if”の⼈格を垣間⾒えるというのはファンにとって新鮮なことではないだろうか。

しかし、イイショには洗礼ともいえる演出がある。それは『密室空間』という設定ゆえに舞台上から移動できないということ。つまり舞台袖に移ることはおろか⽔さえも⼝にできないのだ。約 2 時間、⽣死をかけた討論を繰り広げるのだから役者たちの体⼒の消耗はとてつもない。少し⽪⾁かもしれないがこの消耗した様⼦が緊迫感をさらに煽り、物語に奥⾏きが加わるのだ。

⼈はみな⼤なり⼩なり罪を抱えて⽣きている。そのことに気がつけば⽇常の中に存在する些細な希望を⾒つけることができるかもしれない。
演者ももちろんだが、⾒る側もたくさんのエネルギーを消耗する本作『いい⼈間の教科書。』は 2 ⽉ 13 ⽇まで公演。ぜひ俳優が全⼒で演じる『2 時間だけの⼈⽣』を⽬に焼き付けてほしい。

ゲネプロ終了後の囲み取材でキャストに意気込みや⾒どころを語ってもらった。

ゲネプロを終えた率直な感想をお聞かせください。

栗⽥学武(以下、栗⽥):ようやく劇場で最初から最後まで通しで演じることができました。四⽅を囲む舞台(セット)なのでお客様が⼊られたときにどんなふうに⾒えるのだろうと感じつつ、僕たちは“この場に閉じ込められている状態”なので⾒られていることを意識しないように頑張らないとな、と。あと数時間後には幕が開けるので今は純粋にとても楽しみです。

⾜⽴英昭(以下、⾜⽴):ゲネプロを終えてようやく⼀つの形が⾒えたのではないかと思います。エチュードだからこその強みや⾯⽩さがあるんだなと実感できました。栗⽥さんもおっしゃったように、お客様が会場にいることで空気感が変わってくると思うので、それを楽しむことができればいいなと思います。

⽵中凌平(以下、⽵中):しんどいです。

⼀同:(笑)

⽵中:2時間ずっと舞台に出っぱなしで、ダンスもあって、しかも四⽅から⾒られて、⾔い⽅がよくないかもしれませんが、抜きどころがないんです。

栗⽥:正直やなぁ。

⽵中:(笑)。終始集中しなければいけない作品なのですが、清々しい達成感もあります。このあとしっかりと休憩をとって夜の本番に備えたいと思います。

佐藤弘樹(以下、佐藤):今、⽵中くんが⾔ったとおり 2 時間出ずっぱりなので、途中でトイレに⾏きたくなったらどうしよう…と思うんですよ(笑)。別のことに意識が囚われた瞬間に集中⼒が切れてしまって、違う形になってしまう可能性がある作品で。しかし⾃分の⾝体やお客様の存在を感じつつ、余裕を維持することがエチュード劇に必要なことだと思うので、その意識を持って本番に臨みたいと思います。

森⽥晋平(以下、森⽥):本当に⼤変な作品で。⼀度も袖にはけることがないので、舞台上で何かトラブルが起きたときには全員で協⼒して乗り越えるしかないんです。

栗⽥:まさに今⽇のゲネプロで(セットの)箱の蓋が開かないというトラブルがあったよね。⼼の中で「開かん〜!」ってなった瞬間にみんなが助けてくれたのでほっとしました。

森⽥:本当に本番中に何が起きるかわかりませんよね(笑)。あと、照明や⾳楽といった、素敵な演出をゲネプロで体感できて、僕⾃⾝とても感動しました。この感動をお客様にも味わっていただけたら嬉しいです。

⾜⽴さん、佐藤さん、森⽥さんに質問です。イイショやアレン座での稽古の印象はいかがでしょうか。

⾜⽴:稽古のとき、演出の茉美さん(鈴⽊茉美)に「泳がされたな〜!」と(笑)。もう必死に泳いで、半分溺れていました。エチュード劇って台本がなくて、⾊々と模索しながら作っていくんです。茉美さんは僕たちの嘘のない感情や⾔葉を拾っていって、考えてくださって、たくさん提案をしてくださるのですが、僕は「どれが正解なんだ?」と悩みながら作っていきました。でもそれがめちゃくちゃ楽しくって!

森⽥:稽古に⼊る前はこの作品についてそこまで詳しくわかっていなかったんです。いざ稽古がはじまったら「こんなにも⾃分の⼈⽣を深掘りして考えていかなければならないのか!」と衝撃で。ここまで⾃分に向き合った作品ははじめてです。

佐藤:僕も「これほどまでの作品は今後もなかなかないだろう」と思っていて。ジェットコースターのように、怒ったり悲しんだり、スッキリしたり…⾊々な感情が詰まった 2 時間になっています。

栗⽥さんと⽵中さんは昨年の年末に、イイショをもとに企画した戯曲『点滅』に出演されたばかりですね。

⽵中:『点滅』はイイショの原点でありシチュエーションも似ていたりしますが、やってみると全然違うんですよね。『点滅』はセリフが全て決まっていますし。

栗⽥:根幹となるところは『点滅』と同じですが、⽐べようのない完全別作品ですね。アレン座でイイショをやるのは 4 度⽬なのですが、今回は物語の結末に特徴があるんです。過去作をご存じの⽅には斬新な終わり⽅だと思っていただけるのではないでしょうか。

⽵中:そういえばうちの劇団員の磯野⼤に「イイショはしんどいぞ」って⾔われていて。

栗⽥:(笑)。オープニングの曲が流れると(緊張で)舞台袖で“えずく”っていうのがイイショあるあるやねん。

⼀同:(笑)

今、みなさんが考える『いい⼈間』とは?

⼀同:(即答)わからないです。

栗⽥:(笑)。稽古中にそういった話はたくさんするのですが、結局終着点は⾒えないままで…。

⽵中:稽古場で、なんか…遺伝⼦の話とかしませんでしたっけ?

佐藤:いい⼈間と感じる要素が遺伝的に受け継がれていって…そもそも⽣き残るための要素がいい⼈間なのではないのか…とかね。

⾜⽴:⾃分ではなくて誰かにとっていい⼈間っていうのが、『いい⼈間』なのかも知れないですね。

⽵中:また稽古のときにやったディベートみたいになっちゃってるよ(笑)!

栗⽥:みんなで助け合わないといけない作品だから稽古のときに共演者のいいところがどんどん⾒つかるんですけど、それとは別で役としては相⼿の嫌なところをたくさん⾒つけていかなくちゃいけないから⾟いよなぁ(笑)。そのせいかわからないけど、稽古が終わるとみんななんか優しくなるよね。

⼀同:(笑)

改めて本作を観劇される皆さんにメッセージをお願いします。

⾜⽴:5 ⼈という少⼈数で出ずっぱりの本作。30 歳前後の⼤⼈たちが本性むき出しで⽣(せい)や信念にしがみついて、⾃分の哲学をぶつけ合うっていうのは、普段絶対に味わえないことだと思います。⼈間の汚い部分やダサい部分をエンターテインメントとして⾒ていただければ嬉しいです。僕たちも全⼒で届けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

佐藤:本作のテーマに「約8000000000通りある⼈⽣の、ほんの数通りの彼らの⼈⽣」というのがあるのですが、その(⼈⽣の)可能性の⼀つを皆様にお⾒せできるのではないかなと思います。今回、舞台上で演じているのは、稽古場で⾊々な可能性を試したうちの⼀つなんです。それをお客様にも感じ取っていただけたら嬉しいです。そして皆様の中にも「こうなるかもしれない、ああなるかもしれない」といった可能性の種がどんどん⽣まれるといいなと思います。ぜひお楽しみに。

森⽥:ご来場いただく皆様は 5 通りの⼈⽣を⽬撃することになると思うんですけれど、もしかしたらこの中の誰かしらの⼈⽣とリンクするかもしれません。お客様に⾃分の⼈⽣を振り返って「あのときはこうだったな、これからはこうしていこうかな」と少しでも考えてもらう瞬間が⽣まれると嬉しいです。たとえば「⾃分ならどんな罪状なのか?」だとか。ダンスと映像と照明と⾳楽も本当に素晴らしいのでぜひそちらも楽しんでください。

⽵中:この 5 ⼈が舞台上でぶつかり合って、そこから⽣まれるエネルギーを感じていただける舞台になっていると思います。観劇後に何かを得ていただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

栗⽥:本作イイショは 4 作⽬となりました。この 5 ⼈で開幕できることに本当に感謝しております。そして演出・構成の鈴⽊茉美とともに稽古から本番まで真摯に戦ってきました。この作品を⽀えてくださる⽅がたくさんいらっしゃって、その⽅々も本気でこの作品に取り組んでくださっています。この初⽇を迎えられることがとても喜ばしいですし、この⽇のためにみんなで頑張ってきましたので、ぜひこの作品を⽬撃するような気持ちで⾒に来ていただけると嬉しいです。そして今回、18 歳の⽅には無料で⾒ていただくことができますので、『いい⼈間の教科書。』という名の通り、本作が反⾯教師となるような⽣き⽅を⾒つけていただけると嬉しいです。千穐楽まで頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします。

撮影 ⽊村健太郎(Allen)/取材・⽂ ナスエリカ

公演概要

【公演タイトル】
Allen suwaru プロデュース公演「いい人間の教科書。」

【CAST】
竹中凌平(劇団アレン座)
足立英昭
佐藤弘樹
森田晋平
栗田学武(劇団アレン座)

【公演日程】
2023 年 2 月 8 日(水)〜2 月 13 日(月)全 9st
2 月 8 日(水)18 時
2 月 9 日(木)13 時/18 時
2 月 10 日(金)18 時
2 月 11 日(土)13 時/18 時
2 月 12 日(日)13 時/18 時
2 月 13 日(月)14 時

【会場】
すみだパークシアター倉

【チケット詳細】
▶一般発売(先着形式・全席指定席)
好評発売中
◯プレミアム前方シート 8,500 円(税込)
◯一般指定席 6,500 円(税込)

▶いい人間の教科書。リピーター特典
<3 公演特典>
5 人集合ブロマイド(限定カット&複製寄せ書きサイン入り)
<6 公演特典>
直筆サインメッセージ付き個人2L ブロマイド
※リピーター特典引換受付にて出演者の名前をご指定いただくと引換可能です。

【公演チケット申し込みフォーム】
http://www.confetti-web.com/iisyo_2023

【Twitter】
https://twitter.com/Allen_suwaru(@Allen_suwaru)
【公式ブログ】
https://ameblo.jp/allen-suwaru
【公式 HP】
http://allen-co.com/allen-ningen2023

【公演についてのお問い合わせ】
info@allen-co.com
【チケットについてのお問い合わせ】
https://s.confetti-web.com/support/qa_reg_1.php

【STAFF】
演出・構成:鈴木茉美
ダンス振付:kizuku
舞台美術:はじり孝奈(obbligato)
舞台照明:大平智己(ASG)
音響;椎名晃嗣
映像:浦島啓(colore)
舞台監督:角田晃一
衣装製作:Yoshimi Saito
ヘアメイク:藤本麗
撮影:木村健太郎(Allen)
宣伝美術;小倉美緒(Allen)
制作協力:島崎翼
プロデューサー:キタガワユウキ
主催・制作:株式会社 Allen

「2023 Allen.All Right Reserved.」

Rie Koike