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【レポート】ミュージカル「ヘタリア~The Great World~」

時代は産業革命に突入、蒸気機関車の音が響く。楽曲もよく聴くと、場面毎でその国を彷彿とさせているので、こういったところは聴きどころ。1776年にアメリカ独立、「俺はもう、紅茶は飲まない!」と言うアメリカ。日本がこたつに入ってるとずかずかとアメリカ等、いわゆる“列強”と呼ばれる国々が入ってくるところは、“黒船来航”(1853年)から日米和親条約(1854年)を締結され、その後、列強と条約を締結、そんな幕末の日本をビジュアル的に表現しており、わかりやすい。日本は中国を反面教師と言う。中国、当時は清であったが、アヘン戦争後、南京条約締結、清の滅亡はすぐそこに。そして物語はスピード感を持って20世紀へと向かっていくのである。
前回に引き続きイタリア(長江崚行)は相変わらずヘタレ、ロシア(山沖勇輝)の寒いギャグ、世界のお兄さんを自認するフランス(寿里)、キャラクター総出で『ヘタリア』の世界を盛り上げる。2時間程の1幕ものであるが、全体として疾走感もあり、また楽曲がほぼ途切れず、ダンスも立体的でわかりやすく、世界史に詳しくない観客は歴史をもう一度見直したくなる。テストのあまり楽しくない思い出もあるかもしれないが、「最初から、こういう風に教えてくれればいいのに」とつぶやきたくなる。ラスト近くは未来を話し合う国々、奇しくもアメリカの大統領選の結果が出たばかりのタイミングでの上演だ。
最後はもちろんこの曲!『まるかいて地球』をキャスト全員で歌い、踊る。各国のソロパートがあるが、其々のダンスは国の特徴を表現していて面白い。次回公演があるなら、今度はどのあたりの歴史なのだろうか?

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2.5news(編集部)

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