今回は登場するキャラクターを見てもわかるが、在来線と新幹線との絡みが多そう。舞台セットは前回と同じで舞台の上部の上手と下手にスクリーンがある。オープニングは登場する路線が一同に集合し、歌って踊る。スクリーンに歌詞が出るので、ちょっと口ずさむことは可能。ショートストーリーが次々と繰り出されるが、どんな話かはスクリーンに映し出されるので、あんまり鉄道に詳しくなくてもわかるようになっている。初演時に登場したキャラクターはさらにパワーアップされ、その誇張ぶりが可笑しく、客席通路を使用する頻度も前回より多くなっている。相変わらず、お金にうるさく、ふんぞり返っており、しかも運行売上1位でますます鼻高々、東海道新幹線(永山たかし)や狂信的に会長を崇拝する西武池袋線( Kimeru)、「秩鉄〜」と叫ぶ秩父鉄道超ラブな東武東上線(高崎翔太)等、騒々しいくらいで、そこに今回初登場の路線が初演キャラクターに負けじと張り切る。青い森鉄道( 眞嶋秀斗)は夜行列車の廃止での財政難を嘆き、宇都宮線(稲垣成弥)は、東北新幹線の開業に、“逆さてるてる坊主”で悪天候祈願等、新キャストの弾けっぷりもかなり笑える。また在来線と新幹線の絡みは必見。ツッコミぶりが前回より倍増、客席から笑いが起こる。また、過去の鉄道あるあるネタ(猛暑や豪雪で運休等)、「そういえばあった、あった」と思い出させてくれる。そこにあるのは“鉄道愛”、これを見ると鉄道に対する見方が変わるかも?しれない。笑いっぱなしの1幕もの、およそ上演時間は2時間10分程度。ラストも全員で踊って歌って、どんなことがあっても走らせなければならないのが鉄道、“ホントはめちゃくちゃドラマがあるんだ!!”と思わせてくれる。また、今回は高崎翔太が1人で2路線(東武東上線・信越線)を演じる。着替えも大変だが、演じるキャラクターの切り替わりにも注目したい。
なお、この公演では客席は『列車の座席』なので、前説は車掌さん、座席も『グリーン席』『指定席』となっている。