映画『海岸通りのネコミミ探偵』(12 月 2 日公開)完成披露試写会舞台挨拶が 3 日、東京・築地の浜離宮朝日ホールで行われ、主演の牧島輝、共演の和田正人、メガホンをとった進藤丈広監督が登壇した。
本作は、江ノ島・湘南を舞台に、人生何もかもうまくいかない青年がひょんなことからペット探偵見習いとなり、心に傷を持つ少年との交流を通して新たな人生を見つけ出していく物語。湘南の浜辺でいなくなったペット猫・ミミちゃんを探している猫塚照を牧島が、湘南を拠点にペット探偵を営む猿渡浩介を和田が演じる。一方、牧島と共演しての感想について和田は「いい意味でやる気を見せないというか、抜けている感じがあの役にマッチしていました。映画って大きなスクリーンで表現するから、やる気がみなぎっていると浮いて見えちゃうので、ちょっと力を抜いているくらいがちょうどよかったりするんですけど、そこがマッチしていてよかったなと思いました」と褒めると、牧島は「やる気がないとは言っていないですよね!? やる気を見せていないって言っているだけですからね」と強調して笑いを誘った。
そんな 2 人を演出するにあたり、こだわった点を聞かれた進藤監督は「牧島くんと和田さんが思ったことをそのまま、2 人に任せてやってもらったので、今お 2 人が喋っている感じが猫塚と猿渡そのままだなと思い出しながら見ていましたね」といい、「本があって、それぞれのキャラクターがありますけど、実際に演じる人によってガラッと変わるので、その辺で和田さんがいい意味で遊んで、それにいい意味で翻弄されながら成長していく猫塚みたいな感じが、そのままお 2 人が普段、喋っている感じとシンクロしていたところがあって、見ていて気持ちよかったですね」と声を弾ませた。
また、和田の提案でアドリブが多かったそうで、牧島が「自分から仕掛けることはなかったんですけど、カットがかからないうちは猿渡(和田)がずっと何かをやるんですよ…」と苦笑すると、和田は「ド S 心がくすぐられました」としたり顔。これに牧島は「こんなに自由にやっていいんだって勉強になりました」と吐露した。
続けて、胡散臭さを出すために見た目にこだわったという和田は「初見で会った瞬間の“何この人…”って思われたほうが、最終的に“こんなバックボーンがあって実はかっこいいじゃん”って見えてくるのかなって逆算すると、最初は変に見えたほうがいいなと思ったので、あのサングラスを Amazon で買って、あの頭で衣装合わせに行きました」と明かし、「探偵といったら『探偵物語』の松田優作さんに憧れがあって、1 回やってみたいなと思っていたので提案させていただきました」とにっこり。これに進藤監督は「衣装合わせってスタッフが衣装などを用意するんですけど、私服の状態で“サングラスキラリーン”みたいな和田さんを見たときに“これはいいね!”と全員一致でした」と回顧し、「役者さんが私物を持ってくることはあるんですけど、わざわざ作品のために買って持ってくるのは今まで経験がありませんでしたね」と目を丸くした。
さらに、茅ヶ崎にあるスタジオを猿渡の事務所として使ったことが話題に上り、同スタジオの所有者に興味津々で、いろいろと取材したという和田は「あそこにあった植物も気に入ってネットで買いましたもん。あと古い看板もいっぱいあったじゃないですか。ああいうのをネットで買ってバルコニーに飾っています」と告白し、「僕は仕事半分、プライベート半分みたいな感じでしたよ。たぶんお 2 人から見たらガラクタにしか見えないかもしれないけど、(和田にとっては)宝の山にしか見えなかった!」と興奮気味に語った。
そして、三浦裕太役を務めた子役の菊池爽との撮影エピソードを聞かれると、和田は「僕は 2 回ほど説教しました」と打ち明け、菊池はすごくヤンチャだったことを明かし「ヤンチャってすごく大事なんですけど“ここはダメ”っていうところでもやっちゃうところがあって、過去の僕だったら無視してたんですけど、子どもを持っちゃうと『ダメ!』って」と父親の顔を覗かせ、その場にいたという牧島は「和田さんが言っていることがまともすぎて、俺も食らっちゃって“ちゃんとやらなきゃな”ってなりました(笑)」と当時の心境を振り返ると、和田が「なんかごめん…」と謝罪。これに、牧島は「でも、逆に子ども扱いしていない感じがして、役者として対等に見てるなって思いました」と目を輝かせると、和田は「いいこと言ってくれてありがとう。助かる!」と感謝した。
一方、牧島は猫があまり得意ではないそうで「ちょっと怖いんですよね。小さいトラじゃないですか」と表現して会場を沸かせ、「動物園で大きいサイズのイヌ科って見なくないですか?でもネコ科の大きいやつっていっぱいいるじゃないですか。だから迫力があって怖いなというイメージがイヌ科の動物よりもあって、こいつ(猫)がもし大きくなったらああ(トラやライオンのように)なるってことじゃないですか」と必死に説明。これに和田から「今、ネガティブキャンペーンをしているぞ!」突っ込まれると、牧島は「そんな凶暴なトラやライオンさんが小さくなったらかわいいねって話でした」と軌道修正して笑わせた。
【ストーリー】
湘南の浜辺でいなくなったペット猫・ミミちゃんを探している猫塚照(牧島 輝)。
湘南を拠点にペット探偵を営む・猿渡浩介(和田正人)。ある日、猫塚はミミちゃん探しを依頼するために猿渡の事務所を訪れ、ひょんなことから一緒にミミちゃんを探すことに。ミミちゃんは猿渡が探し当て、鈴俣夫婦(伊藤浩志・澁澤真美)を幸せにしている。優しい気持ちで鈴俣夫婦とミミちゃんをそっと見守る猫塚。
「ミミちゃんはいろんな人を救う猫なんだ」と。
ところが、猫塚は無一文でペット捜査の報酬が払えず、労働で返すことに。そんな時、三浦裕太(菊池 爽)という少年が「ペット探偵猿渡」にやってくる。子供だからと追い返す猿渡。それに反発する猫塚。
実は、裕太は両親(尾関伸次・星野真里)が離婚調停中。猫塚も両親が離婚していて他人のように思えなかった。
裕太に協力して、新米ペット探偵・猫塚が裕太の猫・ゴン太探しに。その姿を陰ながら暖かく見守っている猿渡。
そして、ゴン太が見つかったとき、三浦夫婦と猫塚・猿渡に奇跡が起こる…
牧島 輝 和田正人
菊池 爽 尾関伸次 徳井 優 ベーコン(猫) ぽんず(猫)/星野真里
監督:進藤丈広 / 脚本:金杉弘子/原案・プロデュース:三木和史/製作:河口芳佳 遠藤幹彦 菊池貞和/プロデューサー:杉内裕介 増田裕介 荻原麻衣 中村美香
撮影:田島 茂/ 照明:鳥内宏二 / 録音:中村雅光 / 美術装飾:遠藤雄一郎
衣裳:髙地郁美 / ヘアメイク:原田真以子 / 動物:菊田秀逸 / 編集:田巻源太
音楽:MOKU / 音響効果:橋本正明 / 助監督:菊池俊次 / 制作担当:矢口篤史
製作:ミツウロコ / tvk(テレビ神奈川) / ポニーキャニオン / ビデオプランニング
制作・配給:ビデオプランニング 宣伝:とこしえ
【12月2日(金)よりシネマート新宿、ムービル、シネマート心斎橋ほか全国順次公開!】
<公式 HP> nekomimi-tantei.com
©2022「海岸通りのネコミミ探偵」製作委員会