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【インタビュー】舞台「文豪とアルケミスト 嘆キ人ノ廻旋(ロンド)」芥川龍之介 役:久保田秀敏さん

東京公演 2022年9月2日(金)から品川プリンスホテル ステラボールにて、大阪公演 9月17日(土)から森ノ宮ピロティホールにて上演される、舞台「文豪とアルケミスト 嘆キ人ノ廻旋(ロンド)」。

原作となる「文豪とアルケミスト」は、人々の記憶から文学が奪われる前に、文豪と共に敵である“侵蝕者”から文学書を守りぬくことを目指すDMM GAMESで配信中の文豪転生シミュレーションゲーム。

その舞台版シリーズ5作目となる本作では、芥川龍之介役の久保田秀敏さんが主演を務め、江戸川乱歩役:和合真一さん 、室生犀星役:椎名鯛造さんが続投。久米正雄役:安里勇哉さん、菊池寛役:岩城直弥さん、エドガー・アラン・ポー役:鷲尾修斗さん、ハワード・P・ラヴクラフト役:小林涼さん、夏目漱石役:寿里さんがシリーズ初登場となります。
今作ではついに、芥川龍之介が抱え続けてきた、友人である久米正雄との葛藤が描かれます。

この度、本作で主演を務める芥川龍之介役:久保田秀敏さんにインタビューを実施。
これまでの出演を振り返ってみての思いや、舞台との向き合い方、本作への意気込みを語っていただきました。

最後に直筆サイン入りチェキのプレゼントもあるので、奮ってご応募ください!

芥川龍之介 役:久保田秀敏さん インタビュー

これまでのシリーズ1~3作までの出演を振り返ってみて、どのような思いがありましたか?

ひとつの作品を長く続けるということは、簡単そうで簡単じゃなかったりするので、観てくださるお客様の支えや愛がないと、ここまで来れなかったと思います。そこはもう、お客様に感謝、感謝、圧倒的感謝でございます。
そして今回の5作目では、僕が演じる芥川龍之介を中心とした物語を届けさせていただきます。そして、これまで名前だけでしか登場しなかったキャラクターが、今回初めて役として舞台上に登場し、じっくりと芥川龍之介の周囲の出来事や関係性、負の感情などの細かい描写が出来るので嬉しく思います。

これまでを振り返ると、良い思い出ももちろんありますが、自分の中で辛かった思い出の方が深く残っているなと。それは演じている久保田秀敏が辛いとかではなくて、芥川龍之介としていることの辛さです。キャラクターの内側の部分を深く考えれば考えるほど、役に入りすぎて心的ストレスが高まってパニックになりそうになる。それがこの作品をやるうえで、辛かったなと心に残っていました。でもそれは良いことだと思っていて、それだけ悩んで苦しい思いをしたのは、自分がちゃんと芥川龍之介として生きられた証拠なんです。それでもまだ芥川龍之介の人格を掴みきれない。だから毎回この作品に出演する時はチャレンジャーとして、役に挑んでいます。

芥川龍之介という役を、どのように捉えていますか?

原作だけをパッと見てみると、芥川龍之介が作品の顔になっているんですよね。初めて見た時は、物腰柔らかくて妖艶な感じで綺麗なイメージがありました。そのイメージだけではキャラクターを掴むことは出来ないので、演劇として演じる前に、この芥川龍之介という人物はどのような生い立ちで、どんな人々と出会い、どんな悩みを抱えているのか。そしてどんな影響を受けて彼の作品は生まれたのか、そうしたものを自分の中にひとつひとつ落とし込んでいかなきゃいけない。どんな役でもそうですが、これをやらないと役への理解を深めることが出来ないんです。
台本には、キャラクターの正解が書いてあるんです。書いてある台詞を言うのが正解ですが、そこには載っていない答えを自分の中で沢山作り込んでやらないと、舞台の上に立っているようで立てていない、宙に浮いているような状態になってしまうんです。どれだけ自分で役を深められるかというのが一番重要であり、役者としての永遠の課題ですね。

また、掴めないでいる部分を自分でどれだけ補填できるかも、役者の仕事だと考えています。1~3作と出演していても、役を掴みきれていないので、芥川龍之介という役を毎回作り直して稽古に臨んでいます。まだまだ反省だらけですね。

これまで演じてきて、役との向き合い方で変わったところはありますか?

初演の時は、パッと見のイメージだけでやっていたんです。このキャラクターはこういう立ち振る舞いで、こんな声の出し方で演じればいいんでしょ、というやり方を見事にやってしまいまして…。まさしく、役の上辺だけしか見れていない演じ方をしてしまったので、初演はもう観れないです…(笑)。
そこが反省点ですね。当時はその演じ方が正解だと思って、完璧にやったつもりでいたんです。でも、そこから2、3年が経ち、自分のお芝居に対する向き合い方も変わり、芥川龍之介との向き合い方も変わりました。今は様々な角度から見ることが出来るようになったので、演じる度に改善をするようになりました。
役者の仕事は正解がないからこそ、楽しいし、苦しくもある。全部含めて、この仕事は魅力が沢山詰まっていると思います。

今作で特に力を入れたいと考えている点はありますか?

今作は、芥川龍之介を中心に物語が展開するので、菊池寛、夏目漱石、久米正雄との関係性を大事にしたいです。それは役としてだけではなく、演じる役者とのコミュニケーションが非常に大事になると考えています。それぞれの役に対しての解釈も、役者同士しっかりと意思疎通を取っていないと、お芝居をしていてどうしてもギクシャクしてしまうんです。
今違うこと思ってたでしょ?っていうのは、目のちょっとした動きや瞬きですぐ分かってしまいますし、そういうのは観劇しているお客さんにも伝わってしまうので。原作ものだからただ台本通りに役をやればいいとかではなくて、苦しみながらもどこまでも役を深めていくのが僕ら役者の仕事だと考えているので、関わりの深い登場人物とのコミュニケーションを深く追求していきたいです。

久保田さんが思う、この作品の魅力をお教えください。

なるせさんの脚本は、史実を織り交ぜながら、僕らが今生きているこの世界の実情も上手に取り入れた脚本になっているので、物語と観ているお客さんの気持ちが非常にリンクしやすくなっています。自分がいまリアルに体験している世の中の出来事を入れることによって、お客さんも前のめりになって、感情移入が出来るんです。
3作目の時も、そして今もそうですが、コロナという未知のウイルスが蔓延している中で『この世界にいつか終わりが来るのか?でも俺たちは負けない、生き抜くんだ!』というメッセージが強ければ強いほど、お客さんもその気持ちに強く共感してくれる。そんなふうに、僕らは客席と無言の会話ができて、お互いの心を動かせる。そこがこの作品の魅力だと感じていますし、今作もどうなるのか、今から楽しみです。

先日、新衣裳のビジュアルが解禁されました。お気に入りポイントは?

「芥川龍之介」の新衣裳ビジュアル

ビジュアル撮影で着てみた感想は、凄く華やかで、更に妖艶でまさに「美しい」という言葉の権化のようだなと。ビジュアル撮影の時はまだ台本が出来上がっておらず、イメージでの撮影になりましたが、台本を読んだ今は、どういう経緯と想いでこの衣裳になったのかを知ったので、今着たら全然違った表情や姿勢になると思います。
尚更早く着たいですし、舞台上で新衣裳になるのが楽しみになりました。

新衣裳は自身の心の葛藤に向き合い、乗り越えたものだけが纏うことが出来る装いですが、久保田さんは俳優業を続けてきた中で葛藤を乗り越えた経験はありますか?

これまで何度も葛藤を乗り越えてはいると思うのですが、常に目に見えない葛藤が出てくるんです。超えたと思ったら、また見えない壁があって、ゴールに手が届きそうなのに阻まれて届かない。この仕事は、そんな壁だらけなんです。
でも、この壁が全く無かったり、簡単に乗り越えられるようなものだとしたら、人間はそんなに成長出来ないと思います。
例えば、辛い経験も、苦しい経験も、悲しい経験もせずに、お金を払えば欲しいものが手に入れられる、そんな簡単な人生楽しいですか?と、僕は思ってしまいます。
辛い、苦しい、悲しい、そして悔しい経験をして、沸き上がってくる感情があるからこそ、人間はもっと豊かになれる。なので自分は、この苦しみをあえて負荷として与えている部分もあります。目の前の葛藤を乗り越えて、成長していけるように、これからも前を向いていきます。

最後に、本作を楽しみにしている読者の方へメッセージをお願いします。

1~3作を経て、5作目でまた帰ってこさせていただきました。否、またこの文劇に転生してきました。
今回は、芥川龍之介と深い関わりのある人物たちが沢山登場します。その中で、負の感情がいっぱい出てきて、今までにないくらい辛い経験をすると思います。暗く長いトンネルの先に、必ず光が見えてくると思いますし、その先で何倍にも強くなれる。そんな、光を掴む旅にこれから出掛けます。この作品を観終わる時には、皆さんの中にひとつでも光が届けられるような、そんな内容になっています。是非、お待ちしております。


ヘアメイク:佐々木渚香
スタイリスト:小林洋治郎(Yolken)

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公演概要

【公演名】 舞台「文豪とアルケミスト 嘆キ人ノ廻旋(ロンド)」

【公演日程】
東京公演:2022年9月2日(金)〜9月11日(日) 品川プリンスホテル ステラボール
大阪公演:2022年9月17日(土)〜9月19日(月・祝)森ノ宮ピロティホール

【チケット】
<東京>S席:¥10,500 A席:¥9,500/サイドS席:¥10,500 サイドA席:¥9,500
※サイド指定席は一部、舞台・映像・演出が見えづらいお席となります。ご了承ください。
<大阪>S席:¥10,500 A席:¥9,500

【プレイガイド二次先行】
7月22日(金)19:00~7月27日(水)23:59
【e+(イープラス)】
https://eplus.jp/bunal5/
【チケットぴあ】
https://w.pia.jp/t/bunal5/
【ローソンチケット】
https://l-tike.com/bunal5/
【楽天チケット】
http://r-t.jp/bunal5
【CNプレイガイド】
http://cncn.jp/bunal5/

【出演者】
芥川龍之介 :久保田秀敏

菊池寛 :岩城直弥
江戸川乱歩 :和合真一
室生犀星 :椎名鯛造
エドガー・アラン・ポー:鷲尾修斗
ハワード・P・ラヴクラフト:小林涼
夏目漱石 :寿里

久米正雄 :安里勇哉(TOKYO流星群)

アンサンブル:佐藤優次 仲田祥司 町田尚規 多田滉 山口渓 田中慶 平澤佑樹 松崎友洸

原作 :「文豪とアルケミスト」(DMM GAMES)
監修 :DMM GAMES
世界観監修 :イシイジロウ
脚本 :なるせゆうせい(オフィスインベーダー)
演出 :吉谷晃太朗
音楽 :坂本英城(ノイジークローク)

主催 :舞台「文豪とアルケミスト」製作委員会

【公式HP】http://bunal-butai.com/
【公式Twitter】@bunal_butai

アフターイベント

文劇シリーズ第5弾上演を記念し、文劇初のアフターイベントを東京・大阪公演後に開催決定!

・9/6(火)18時公演 第一回文劇談義
登壇キャストたちが稽古や本番中の裏話や、ここでしか聞けない公演に対する思い出などを語って頂きます!
登壇者:久保田秀敏/安里勇哉/岩城直弥

・9/7(火)13時公演 第二回文劇談義
登壇キャストたちが稽古や本番中の裏話や、ここでしか聞けない公演に対する思い出などを語って頂きます!
登壇者:和合真一/鷲尾修斗/小林涼

・9/7(水)18時公演 文劇㊙制作会議
文劇シリーズに携わったクリエイター二人が、初・制作会議を開催!物語がどう生まれたのか、そして文劇においての
拘りなどを惜しむことなく話していただきます。
登壇者:脚本・なるせゆうせい、演出・吉谷晃太朗

・9/8(木)13時公演 文劇初・ミニライブ!
主題歌を担当するROUによる一夜限りのミニライブとトークショーを開催!
登壇者:ROU

・9/17(土)17時30分公演 第三回文劇談義
登壇キャストたちが稽古や本番中の裏話や、ここでしか聞けない公演に対する思い出などを語って頂きます!
登壇者:久保田秀敏/椎名鯛造/寿里

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Rie Koike