2016年10月15日よりフェスティバル・トーキョーが開幕した(2016年12月11日まで)。フェスティバル・トーキョーは東京都内で行われている演劇祭、国内外の挑戦的かつ様々なジャンルの舞台芸術作品を積極的に取り上げており、今年も個性的なラインアップとなっている。
第9回となるF/T16は、「境界を越えて、新しい人へ」をテーマとし、国内外から集結する同時代の優れた舞台作品の上演を軸に、各作品に関連したトーク、映画上映などのプログラムを展開。「境界」は、国籍や世代だけでなく、わずかな価値観の差異、経験の有無まで、無数に存在しているが、このフェスティバルを通じて、社会をあらたな目で問い直す力を持った作品や、その創り手と観客が向き合うことで、「境界」を越えた対話を生み出していくことに挑戦する。
主催プログラムでは、ヨーロッパ演劇をリードするポーランド現代演劇の巨匠、クリスチャン・ルパの日本初来日公演をはじめ、世界の舞台芸術シーンで大きな存在感を放つカンパニー、アーティストを招聘。日本の舞台芸術シーンを牽引する演出家たちによる新作公演や、国境やジャンルを越えたパートナーシップに基づく共同製作、観劇体験を通じて歴史を見つめ直すような作品に加え、東日本大震災の経験を経て生みだされた表現にも引きつづき目を向けていく。また、アジア地域から1カ国を選び特集する「アジアシリーズ」の第3弾では、国の成立から50余年、多民族社会と言われるマレーシアから、異なるバックグラウンドを持つ4組のアーティストを招聘します。これらのプログラムを劇場だけでなく、まちなかでも上演することで、舞台芸術のすそのを広げる活動に取り組んでいき、 さらに、F/Tと同時期に東京近郊で上演される14演目を連携プログラムとして紹介し、東京の舞台芸術シーンを広く紹介する。なかなか観ることの出来ない演目も多く、このフェスティバル・トーキョーを通じて様々な可能性を感じることが出来るはずである。