【3.0レポート】DAZZLE結成20周年記念公演「鱗人輪舞 (リンド・ロンド)」

フォーメーションも独特、全員の一挙一動がひとつにまとまった瞬間、立体的な空間が生まれる。ダンススタイルは一言で言えば“クール”、が、その内に秘めたパッションがマグマのようにふつふつと沸き上がる。音楽は単なる“縁取り”的なポジションではなく、確固たる“人格”を持って舞台に参加する。照明、映像も同じく、個性を持って存在感を示す。これらがパフォーマーと一体化してひとつの世界を構築する。リンドとロンド、この2人の旅、彼らのたどり着くところはどこなのだろうか。1幕が終了し、観客は2つのルートのうち、どちらかを選ぶ。舞台中央に天秤が置かれ、観客はスタッフが用意したコインを右の皿か左の皿に置く。いわゆる観客参加型、のうのうとして座席に座っていることは出来ないところが、この舞台のポイントだ。見終わった後に残るもの、超ハッピーエンドな作品と違って、観客の心には様々な思いが交錯するが、一条の光を感じる。とりあえず、ひとつの結末を見せるもその先には、まだ果てしない旅があるような予感がする。DAZZLE、今年で20周年ということだが、この作品はきっとひとつの通過点に過ぎないのだろう。さらに進化するための「鱗人輪舞 (リンド・ロンド)」、DAZZLEはどこまでいくのだろうか。

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2.5news(編集部)

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