【インタビュー】歌劇『BLACK JACK』作曲家・宮川彬良さん、演出家・長谷川寧さん特別インタビューも収録!

前回の公演は大成功を収めたが、それを受けての演出、そこに関して長谷川は「基本的には完全に変わっています。捨てる勇気を持つ、捨てること自体がとても難しいことではありますが、そこをどう捨てていくか、ですね。僕としては70年代に描かれたこの作品をいかに、現代のお客さんに響かせるかってことを考えました」観客の「今、ここにいること」の意識を高めるための仕掛けも施されており、ここは必見どころ。

コミック自体は1973年〜1978年『週刊少年チャンピオン』にて連載、その後は1979年〜1983年にかけて不定期連載され、全部で242話。1970年代の手塚治虫の最大のヒット作となっている。長谷川は「僕は当時の社会性とか、そういったものを反映させるのが結構好きなんです。この作品の背景、70年代という激動の時代が、手塚治虫にこのマンガを描かせていたのではないかと考えてみまして……僕は『ブラック・ジャック』の中の台詞とかに当時の社会状況を感じました。時代を取りこませる作家、おこがましいですが、それが今にも受け入れられる理由ではないかと感じます」と語る。とりわけ後期の作品、「未完の『ネオ・ファウスト』も凄い好きです。手触りが……描いてた状況、多忙であったことが容易に想像出来る……僕も漫画家の現場にのぞかせてもらったっていうかお邪魔させてもらったことがあるんですけど、それがどういうことか……とんでもないことだと思うし、すり減っていく、摩耗していく部分、っていう爪痕が残っている、描いた人物が見えてきます」

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2.5news(編集部)

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