【3.0レポート】『幽霊』

シンプルに台詞と芝居で見せる。時折、ピアノの旋律が物語を彩る。一見、聡明で完璧に見え、息子を溺愛するアルヴィング夫人、真面目なマンデルス牧師、おとなしそうに見える女中のレギーネ、男っぽいエングストラン、自由に生きようとするオスヴァル、この5人の関係性や生い立ち、過去が絡み合う。様々な解釈が出来る作品であるが、ひとつ言えるのは、皆、生きることに懸命だということ。家の名誉のためにひた隠しにしてきた夫の私生活を話す夫人、宗教家という立場でありながら、保険のことに心を砕く牧師、意外と現実的でタフな若い女中、父親の“負の遺産”を意図せずにして受け継いでしまった息子等、現実の中でもがいたり、あるいはしたたかに生きている。

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2.5news(編集部)

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