世界中でそのタイトルが知れ渡っている『バイオハザード』、元々は1996年に発表されたゲームであるが、2002年には映画化されて大ヒット、昨年はストレートプレイで舞台化されたが今回はなんとミュージカル化、である。これを手掛ける演出家のG2さんに今回の『バイオハザード』の見どころ等、特別にコメントを頂きました。
G2:『バイオハザード』をミュージカルにするのは無理だと、まず思いました。歌う理由が見つからない。けれど、原作ゲームのカプコンさんから「自由にストーリーを作ってください」と言われ、ああ、自由ならなんとかなるし、オリジナル・ストーリーでのミュージカルは是非ともやりたかったので、突然、素敵な仕事に見えて来ました。大枠の設定以外はすべて自由に台本を書かせて頂くことができて、とてもスリリングかつクリエィティブな準備期間を過ごすことができました。
G2:なにしろ、ホラー映画は怖くて見られないほどの臆病者の私。正直、原作ゲームも触ったことすらありません。が、しかし、全世界的にヒットしたタイトルですから、人を惹きつける何かを持っているのでしょうね。オカルトに過ぎなかったゾンビ伝説に、ウィルスという現代社会に通じるアイテムを持ち込むことで、起こり得る恐怖として提示したところがウケたのかなと、個人的には分析しています。なので本作も、現代の国際社会で充分起こり得る設定を目指しました。かつて実際にアメリカで起きたバイオハザード事件も参考にしています。
G2:ミュージカルということで、歌はダンスはもちろんのこと、先が見たくてたまらなくなる魅力的なストーリー、斬新な舞台装置、スリリングな殺陣のシーンも用意しています。
1幕は、閉ざされた城壁都市での密閉空間劇。2幕は、そこから世界へ飛び出して、あたかもロード・ムービーかのような展開を見せます。2幕では『バイオハザード』史上かつてないほどの巨大な敵が現れます。しかも、あり得ない空間で。ミラ・ジョボヴィッチと肩を並べるほどのヒロインの魅力をフルに発揮する柚木礼音のパフォーマンスにご注目ください。また男優たちが演じる登場人物たちもひとくせもふたくせもある面白いキャラクター設定にしていますので、多いに楽しんで頂けると思います。
G2: 同ジャンルは日本が世界に誇るカルチャーだと思います。が、それを舞台に持ち込んだときに、演劇ファンの方にも充分に堪能して頂ける内容になるか、が、今後の課題なのではないでしょうか?もし、それが可能になれば、輸入に頼る日本の演劇も、世界へ輸出できる可能性が出てくると思います。また、演劇側の人間としては、逆に演劇のオリジナル作品が、アニメやゲームになるようにも頑張らねばならないと感じています。
G2:ホラーの苦手な私が作っていますので、あまり怖くないかもしれませんが、エンターティンメントとしてどなたも夢中になって頂けるものになっております。また、日々の生活に疲れた方に元気を与える要素も詰まっています。音楽も素敵なメロディーがたくさん出来上がりました。ぜひお見逃しなく!
G2
舞台演出家・劇作家。
1987年、演劇ユニット「売名行為」の演出で舞台演出デビュー。1991年~2002年、升毅との劇団「MOTHER」の活動を経て、1995年〜2013年 「G2プロデュース」主宰。その他篠井英介らと「3軒茶屋婦人会」、松尾貴史とのAGAPE storeでの活動をはじめ、2011年には新作歌舞伎『東雲烏恋真似琴』で大谷竹次郎奨励賞を受賞。ミュージカルの翻訳・訳詞も手掛けるなど多岐に渡る制作活動を行っており、自由な発想で毎回コンセプトの異なる作品を創り、常に話題を提供し続ける。
最近の作品に、パルコ劇場「メルシー!おもてなし」、東宝「マイ・フェア・レディー」、新橋演舞場「ガラスの仮面」。来年1月には東京グローブ座で「戸惑いの惑星」の作・演出を控えている。
『ミュージカル バイオハザード~ヴォイス・オブ・ガイア~』
脚本・演出 :G2
作曲・音楽監督:和田俊輔
原作 :CAPCOM(ゲーム「BIOHAZARD」)
監修 :小林裕幸(CAPCOM)
企画・制作・主催:梅田芸術劇場
出演 :
柚希礼音
横田栄司 渡辺大輔 平間壮一 海宝直人(W キャスト東京)・村井成仁(W キャスト大阪) KYOHEI
[Special dancer] YOSHIE 中井智彦 Raychell 水希友香 有川マコト
今村洋一 東山竜彦 堀部佑介 宮垣祐也 森山純 安福毅 渡辺崇人
扇けい 工藤彩 後藤祐香 横岡沙季 米島史子 佐藤賢一 田中領 松本城太郎 中山孟 渡辺諒
壤晴彦 吉野圭吾