ストーリー的にはどんでん返しがあって意外性のある展開、どの登場人物もキャラクターが際立っており、皆、見せ場もあり、エンターテイメント要素が多い作品。ここぞという時に登場するサイガ演じる佐野大樹の飄々とした役作り、無口でいながらさらっと“仕事”をこなす橘演じる森山栄治、シスイとサイガのそばにいる元気いっぱいのナミキヨ(崎山つばさ)、意外と策士な羽生凌明、等、なかなかな曲者キャラクターが物語を、場面をひっかき回して面白い。楽曲もロック調でガンガンきたり、あるいはアコースティックギターの音色で哀愁を漂わせたり、で飽きない。
ラストのラストまで目が離せない。1幕もので上演時間は1時間50分程、疾走感があり、ドキドキしつつ、笑って泣いて、15年の歳月の重みも感じる良質の舞台、歳を重ねて次回は重厚な物語も期待出来そうな予感がする。