【オフィシャルレポート】舞台『いい人間の教科書。』2021、財木琢磨・磯野大・大平峻也より座談会のコメントが到着!

今回で 3 度目の公演となる『いい人間の教科書。』。本作は、「いい人間 1 人だけ解放される」という指示のもと、男たちが自身の罪や過去と向き合い、「いい人間とは何か?」を議論する全編エチュードの会話劇。
演出・脚本は鈴木茉美、最新作への出演は財木琢磨、富本惣昭、磯野大、宮城紘大、大平峻也。
10 月某日のキービジュアル撮影の折に財木琢磨・磯野大・大平峻也の 3 人が集い、本作への想いや意気込みが語られた。

前回までは年齢や経歴が様々なキャスト陣で構成されていたが、今回はほぼ同世代の人気若手俳優が集結。
アレン座に所属する磯野がこの作品には一番慣れているにも関わらず、同撮影日にはやや緊張気味な様子が伝わってきた。理由を聞くと「財木さんや大平さんといった旬な皆さんとお話できるのが光栄で…」というまさかの一言に笑いが巻き起こり、場の空気が一気に和らいだ。
シリアスかつ難しいテーマを持つ本作のようなエチュード劇にははじめて出演するという財木と大平。両名とも、これまでにチャレンジしたことがない内容だからこそ演出・脚本の鈴木との稽古が待ち遠しいと語った。

「いい人間とはどういった人物を指すのか」という問に対して、磯野は「(公演を)やればやるほど出口が見えなくなるテーマですね。自分の価値観の中でいい人間だと思えたならそれが答えなのだと思うのですが。その“価値観”がまだ見つけられていないんです」と、回を重ねるごとにこのテーマの深みにはまると苦笑する。

大平は「“いい”という基準は人ぞれぞれだし、相手がどう思うか、なんですよね…。いい人って“都合がいい”人にも見えてしまう場合があるじゃないですか。その物差しで判断してしまうと、とても哀しい人間になってしまう瞬間もあって。だからといって一人で生きていくというのも寂しい人生になってしまう。いい人がいて、悪い人がいて、無関心な人がいて、僕はその無関心が一番冷たいと思うんです。他人にとっていい人でありたいとは思うけど、それは並大抵のことではいかない。なら、利己的に捉えられてしまうかもしれませんが、僕は相手が幸せであれと思いながら接していきたいし、叶うなら逆もそうであってほしい。いい人間かどうかの答えになっているかわからないけれど、僕の中での今の答えはこれです」。

財木は「今色々と考えてはみたのですが、もっとシンプルな答えでもいいかもな、と。はじめに思い浮かんだのは戦隊のヒーローで、誰かのために行動ができる人。見返りを求めずに。思いやりがあって、尽くせるというのは(いい人という点で)必要不可欠な要因ではないかと思って。でもそれって、本当に些細なことから感じられるんですよね。例えば街を歩いていてゴミを拾っている人を見ただけでも。単純ではありますが、人のための何かを行動として示せるという時点でもうすでに“いい人”。言葉にするのは難しいですが、現状ではこれが僕の中で一番しっくりとくる」と、それぞれがこの一筋縄ではいかないテーマを受け止め、現時点でかなり模索している印象だった。

これからどのように本作が作り上げられていくのか、ぜひ楽しみにお待ちいただきたい。

キャストコメント

財木琢磨:エチュードならではの、毎回違った感情表現や役者による化学反応を皆様に感じ取っていただきたいです。2021 年を締めくくる舞台となるので、ぜひ年内最後の記念として足を運んでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

大平峻也:全編エチュードということで、僕自身すごく挑戦であり楽しみに感じています。クリスマスに公演がかかってくるので、この特別な日に、人生のヒントや課題を持って帰っていただけたらとっても嬉しいです。頑張りますのでどうぞ楽しんでください! よろしくお願いいたします。

磯野大:フレッシュな 4 人と僕を含めた計 5 人のキャストと鈴木茉美さんとギリギリまで『いい人間とは』というテーマに向き合いながら作っていきます。本年のラストを飾る舞台として、魅力的でたくさんの考えを持ってらっしゃるキャスト陣と一緒に、皆さまに本作を精一杯お届けできたらなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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Rie Koike