2022年3月、unrato#8『薔薇と海賊』(作:三島由紀夫、演出:大河内直子)を東京芸術劇場シアターウエストにて上演致します。
『薔薇と海賊』は1958年に発表され同年、文学座が初演しました。三島由紀夫と聞くと思想的で高尚なイメージを持たれがちですが、『薔薇と海賊』は虚実の夢と純愛が詰め込まれた異色のファンタジーです。三島由紀夫自身がこの舞台を涙を流しつつ観ていたという逸話も残されています。
三島由紀夫は本作について、【世界が虚妄だ、といふのは一つの観点であつて、世界は薔薇だ、と言ひ直すことだつてできる。しかしこんな言ひ直しはなかなか通じない。目に見える薔薇といふ花があり、それがどこの庭にも咲き、誰もよく見てゐるのに、それでも「世界は薔薇だ」といへば、キチガヒだと思はれ、「世界は虚妄だ」といへば、すらすら受け入れられて、あまつさへ哲学者としての尊敬すら受ける。こいつは全く不合理だ。虚妄なんて花はどこにも咲いてやしない。(略)】と記しています。
今はコロナ禍によって演劇界も厳しい状況に置かれていますが、演劇の力、言葉の力を信じて、濃密なせりふ劇に向き合いたいと思います。
この世界は何なのか、夢なのか、その愛の姿とは……圧倒的な物語の力を信じて、紐解ければと上演に挑みます。
「世界がひっくりかえっても別にかまやしないー」
三島由紀夫の戯曲、初めての挑戦です。
虚構と現実がひっくりかえり、世界が薔薇となったものがたり、憧憬の地への船出。
三島由紀夫が託した思いに私たちの現在(いま)が出会いますよう。
大河内直子
【公演タイトル】 unrato#8『薔薇と海賊』
【日程・会場】
■東京公演:東京芸術劇場シアターウエスト(〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1)
2022年3月4日(金)~13日(日)
3月4日(金) 18時
5日(土) 12時/17時
6日(日) 13時
7日(月) 13時
8日(火) 18時
9日(水) 13時
10日(木) 18時
11日(金) 13時
12日(土) 12時/17時
13日(日) 13時
※開場は開演の30分前
■大阪公演:茨木クリエイトセンター
2022年3月25日(金)・26日(土)
大阪公演に関するお問い合わせ先 072-625-3055
【出演】
霧矢大夢 多和田任益 田村芽実 須賀貴匡 鈴木裕樹
大石継太 飯田邦博 羽子田洋子 篠原初実 松平春香
【入場料(東京公演)】
一般 6,800円/学生 3,800円/高校生以下 2,800円
※学生、高校生以下は一般発売日から当日引換券での発売。
公演当日、要学生証提示。
【チケット発売(東京公演)】
■ファンクラブ先行
2021年11月5日(金)~
■キャスト先行、オフィシャルHP先行、アイオーン先行、ぴあ・いち早プレリザーブ(有料会員向け先行)
2021年11月19日(金)昼12:00~
■ぴあ・プレリザーブ(無料会員向け先行)
2021年12月3日(金)昼12:00~
■プレイガイド先行(ぴあ、東京芸術劇場ボックスオフィス、イープラス、カンフェティ)
2021年12月10日(金)~
■一般発売
2022年1月15日(土)10:00~
※未就学児の入場は不可とさせて頂きます。
※今後の感染症対策は感染状況や政府等の要請により変更となる場合もございます。
ウエブサイトやSNS等でお知らせしますので、ご確認くださいますようお願いします。
【チケット発売プレイガイド(東京公演)】
■チケットぴあ https://w.pia.jp/t/baratokaizoku/
■東京芸術劇場ボックスオフィス https://www.geigeki.jp/t/
■イープラス https://eplus.jp/baratokaizoku/
■カンフェティ http://confetti-web.com/baratokaizoku
【スタッフ】
作:三島由紀夫 演出:大河内直子 音楽:阿部海太郎
美術:石原敬 照明:大島祐夫 音響:早川毅 衣裳:前田文子
ヘアメイク:国府田圭 舞台監督:鈴木政憲 制作:村田紫音
プロデュース:田窪桜子(アイオーン)/西田知佳(ぴあ)
企画・製作:unrato 主催:アイオーン/ぴあ
【チケットに関するお問い合わせ先】
チケットぴあ 0570-02-9111(10:00~18:00)
【公演に関するお問い合わせ先】
baratokaizoku@ae-on.co.jp
<あらすじ>
童話作家の楓阿里子邸。そこに、阿里子の童話のファンで30歳の松山帝一が訪ねてくる。帝一は、自分を童話の中の主人公・ユーカリ少年だと信じている知的障害の青年で、後見人の額間に付き添われてやってきた。楓邸は童話の世界のように仕立てられ、阿里子は19歳の娘・千恵子にも登場人物のニッケル姫の扮装をさせていた。帝一はこの家にずっと住みたいと言い出し、阿里子と帝一の夢の世界のような純愛が始まる。
千恵子は額間と出会い、押し込めてした本音があふれ出て来る。帝一の登場で、阿里子の夫の重政、その弟の重巳との館での生活にもひずみが生まれていくのだが…。