シンガポールはアジアの中でも最もモダンな場所、そしてこの「リバーナイト・フェスティバル」だが、川が囲んでいる場所、「島みたい」なところだそうで、しかも人が行き交う場所とのことだ。つまり、街の中で能をやる、という画期的な試みになる。
フォトコールではほんの10分程度披露されたが、白い衣装の“青年”に白獅子と赤獅子、そこに3D映像、これがごく自然に舞台に溶け込み、少しずつ映像は変化していく。岩、空、3Dで表現された空気感、それらがリアリティを持って観客に語りかけ、自然に演者と舞台空間と調和する。3D映像が醸し出す泡沫の夢の空間に生身の人間のリアルさが渾然一体となって眼前に現れる。