脚本:毛利亘宏 × 脚色・演出:西森英行による新プロジェクト「HELI-X」のシリーズ作品第2弾となる新作公演、舞台「HELI-X Ⅱ〜アンモナイトシンドローム〜」がいよいよ明日10月7日(木)より東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開幕を迎えます。
今作はゼロ(演:玉城裕規さん)と、アガタタカヨシ(演:菊池修司さん)は螺旋機関でバディを組むことになり、新たな事件を追うことになります。
謎を秘めるクライ(演:宇野結也さん)と、カンザキ(演:久世星佳さん)率いる螺旋機関のシデン(演:後藤大さん)、ワカクサ(演:立道梨緒奈さん)、シュンスイ(演:松田昇大さん)との関わり、アンガー(演:塩田康平さん)とサッドネス(演:星元裕月さん)の関係性も明かされるのか必見です。
また、今作では新キャストとして皇光生役の田辺幸太郎さん(少年社中)、イモータル役の杉江大志さん、オシリス役の平野良さんが加わり、新たなドラマが始まります。
この度、本作でゼロ役を務める玉城裕規さんと、アガタタカヨシ役を務める菊池修司さんにインタビューを実施。
初演を振り返っての感想や、作品への思いなど、本舞台への意気込みをお届けします!
※以下敬称略
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菊池:初演は1からキャラクターを作り上げていくという意味では、結構いっぱいいっぱいな部分もありましたが、このコロナ禍で無事に大きな作品をやり終えることが出来て純粋に嬉しく思います。それでも未熟な部分があったと感じているので、だからこそ2作目ではよりグレードアップしたものをお届けしたいと強く感じています。
玉城:毛利さんと西森さんによる新プロジェクトということもあり、凄い熱量を感じていました。初演では、原始人がとても大きな石で出来た銭をググッ!っと押して、やっと動いたという所まで来れたかなと。動いたからには転がっていくと思うので、その初動をやり終えることが出来て安心しています。
菊池:結構変わりましたね。今作でアガタとゼロの関係性にも変化がありましたが、僕自身も肩を借りられるような、素でいられる事が多くなりました。ラフな感じで一緒にやらせていただいております。玉ちゃんに感謝しつつ、この距離のまま今作で良い雰囲気を出していきたいと思います。
実は今日久々に玉ちゃんと会ったんですけど、自分が台本を読んで感じているアガタとゼロについて「僕は今こういうふうに思っているんですけど、ゼロはどういうふうに捉えましたか?」とか、そういった話を気軽にさらっと言えたんです。その時、初演で良い関係性を作れていたんだなと、自分に対してちょっとホッとしました。この関係を大事にして作品を一緒に作っていきたいです。
玉城:修ちゃんが言ってくれたように、肩の貸し合いが出来るくらいの関係になれています。良い意味で気を遣うのはとても大事ですが、お芝居をする上では気を遣うことは余計だと思っているんです。
自分と修ちゃんがフラットな良い関係になっていることで、作品への関わり方もより深くなれるので良い感じに2作目に突入出来るなと感じています。
菊池:玉ちゃんは他の作品に出演している姿を観るところから始まり、それから実際に共演させていただいて、普通の言葉では言い表せないんですけど玉ちゃんは役に没入する人だと感じました。
役者はなにかを演じる仕事だと思うのですが、“玉ちゃんが演じるゼロ”ではなく“ゼロ”が本当に目の前にいるかのような、一歩踏み込んだ演技が出来る凄い大先輩だと思っています。
その気持ちは、舞台を観ていた頃からずっと変わりません。
なので今作では、それに負けないように、アガタとして寄り添えるようにキャラクターを作り上げたいと思います。
玉城:サッカーじゃないですけど、中田英寿さんのような印象ですね。
若いですけど、本当にブレずにいてくれるので年下にも関わらず頼れる存在です。修ちゃんが居るだけで何しても良いみたいな感覚になれるんです。それって多分、役者として稀有な存在だと思っています。
役者としてブレない姿が司令塔タイプかなと感じていて、だから僕は何も考えずに自由にさせていただければと思います(笑)
菊池:そう言って貰えて嬉しいです。僕は褒められて伸びるタイプなので、今後も是非褒めてもらえると嬉しいですね。
玉城:そうだね(笑)
菊池:前作では対峙する間柄だった僕らが、今作ではバディを組んで共に任務をするようになります。対峙した1作目を経ての2作目なので、アガタとしての感情の変化を大事にしながら、しっかり表現できたら良いなと思います。
玉城:前作では恨みを言うことはあっても、フラットな普通の会話が殆どありませんでした。今作では普通の会話のシーンもあるので、そこが楽しみです。今作では心身共にリラックスした状態で居れるようにしたいのと、心の在り方を軽くして演じたいと考えています。
玉城:最近ですと原作ありきの作品が増えてきていて、似たような世界観もあるかとは思いますが、その中でも他の作品には無い部分がある。特殊能力など非現実的な部分もありつつ、現実でも共通する部分があったりする、それがこのオリジナル作品の魅力だと感じています。
「HELI-X」という独自の世界観が2作目にして確立しつつあり、より広がろうとしている。原作が無いぶん展開も読めないので、舞台を観ないと分からないので、これは観ておいた方が良いんじゃないかなと思える作品です。
菊池:この作品は、性別転換や特殊能力など様々な要素があり、内容としては結構重い作品だと思っています。普通だったら背を向けたくなるような事や感情が全てこの作品には詰まっていて、観ることで色々と考えさせられる、感じることの重さが結構大きいと思っているので、そこが魅力だと考えています。
そして2作目ということでキャラクターも増えてキーパーソンとして登場しますので、是非劇場でこの壮大な作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。
菊池:「陰と陽」または「太陽と月」だと思います。誰かが誰かにとっての太陽であり、太陽からしたらその人は月に思えるような、陰と陽が見え隠れする。そんな登場人物たちのすれ違いや、ぶつかり合いが今作では強く描かれます。
玉城:「ここからですよ」っていう感じですかね。前作はエピソード0としても考えられる作品だったので、ここからが本当のHELI-Xの始まりですよ!というストーリーなので、是非楽しみにしていてください。
菊池:皆さんと共演するのが初めてなので、どんな方なのか分からずにいたんです。稽古を見ていて一番最初に思ったのは「悔しい」でした。稽古は結構探り探りでやったりするんですけど、それぞれのキャラクターの掴み方が凄く早くて、稽古のこの段階でここまで出来てしまうのかと。自分自身とても悔しくて、僕ももっと早く役を立ち上げて、心情や会話の仕方など掘り下げて次の段階に行かなければと強く思いました。負けられないです!
玉城:「お任せします!」って言えるくらいの方々なので、不安もなく安心していますし、この作品を引っ張っていってくれると思っています。僕らはその中で、全力で踊らせていただきます(笑)
菊池:螺旋機関は個性豊かで自由度の高いメンバーが多いので、そことの差をつけるという意味で、硬い動きを意識しています。周りがいろんな武器や能力などで派手に戦うので、僕は逆にシンプルに硬い立ち回りで行こうと。なので銃も軽々しく素早く撃ったりせずに、両手で持ってしっかり標準を合わせてから撃つようにしています。その中に、アガタの強い正義感が出るように意識しながら動いていますね。
玉城:なんでも出来るようにしたいと考えながらやっていますね。ゼロは暗殺者として育てられたので、様々な武器を使った訓練をしてきたんだと思うんです。武器が変わっても、そして手数が多くなくても成立するような存在感や圧を出せたらいいなと意識しています。
玉城:前作はですね、ギリギリを攻めようと考えながらやっていたというか…。
菊池:シンプルに、セットが結構ギリギリで(笑)
玉城:(爆笑)
菊池:逆にあの感じがあったからこそ、緊迫感が生まれたのかなと。
玉城:確かに、アクティングエリアが広いわけじゃないので、僕らも「本当に危ねぇ!」って、本当に危機感を持ちながらやっていたのもあり、みんなとの呼吸も自然と合っていた感じですね。
菊池:舞台セットも高さがあったりしましたし、集中して本気で避けないと当たるから。
菊池:やっぱり1作目とは全然違うなぁと感じました。
難しい世界観と題材ですが1作目でその世界観が浸透しているので、今作ではもう一歩踏み込んだところでディスカッションや役について話し合ったりというのを、結構早い段階からやれています。なので攻めの2作目が作れるんじゃないかなと思っています。
後はシンプルに、早く玉ちゃんに来て欲しいです(笑)
玉城:そうですねぇ…まだ台詞も覚えてない…(笑)
でも、凄く楽しみなんですよ。前作はゼロとしての心の縛りが強かったので、今回は多少解放されてはいるので楽しみたいです。
周りのキャラクターたちの背景なども今作では描かれているので、それを見るのも楽しみですね。「どんだけ苦しむんだろう~!」みたいな気持ちです(笑)
役者として、役として、自分や各々の魅せ方が問われていると思うので、そこをしっかり稽古でやりたいです。
菊池:2作目ということで、更にグレードアップした「HELI-X」の世界をお届けできるかと思います。いろんな方にこの作品を届けたいので、是非いろんな人を誘って、感染対策もしっかりしつつ無理のないように劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。
玉城:2作目で物語も転がり始めました。転がり始めたらスピードも加速していくので、それに乗り遅れないように是非観ていただけたらなと思います。これからどんどん広がっていく「HELI-X」の世界を体感してください。「HELI-X」シリーズと共に歩んで行きたいと思いますので、温かい目で見守っていただけたら嬉しいです。
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