Categories: インタビュー

【インタビュー】永井豪×オーケストラ ダイナミックコンサート ロングインタビュー 〜後篇〜

音楽の気持ちよさの種を解説する、
和田一樹コーナーもやります。
もちろん『デビルマン』で。

――お待たせいたしました。和田さんにお話をお聞きしたいんですが、今回臼田さんが演出としてコーナーを考えられたりある程度選曲とかされて、そこから今回のオーケストラに向けての編曲とか編成などの作業が出てくると思うんですが、苦労されたところとか、楽しかったところとかはありますか。
和田:先ほど竹澤さんや臼田さんがおっしゃったように、永井豪先生の作品というのは世代を越えているので、僕らの世代だけにとって……というのがあるかどうか定かではないんですよ。今回の編曲をする中で音楽をあらためて聴いて、もちろん知っている作品なんだけど、凄い曲だなって感動するっていう事が何度もあったんですね。
僕は今35歳で、通称松坂世代って言われてるんですけど、だいたい僕らの同級生は永井豪作品だと『デビルマン』ってなることが多くて。僕はたぶん再放送で見たのかな。TVでデビルマンをやっていて、詞が阿久悠さんで、すごく詞と曲のインパクトがあって、もう刷り込まれている状態で大好きなんです。ほかには、今回あらためて編曲していくなかでは、もちろんデビルマンにも思い入れがあるんですが、『ゲッターロボ』がちょっと凄い音楽だなって思いましたね。この『ゲッターロボ』のコーナーは、音楽的に充実しているかなって考えてます。もちろん水木さんが登場するところっていうのは、これはもう楽しみでしかないんですけどね。
――劇伴として作られているものなので、作品ごとに多岐にわたると思うんですね。僕らがインパクトがあって覚えているのは、『デビルマン』『キューティハニー』『マジンガーZ』『ゲッターロボ』あたりですね。その後にも『グレンダイザー』とか。
和田:『グレンダイザー』もすばらしいですね。今回の編曲で特に意識したのは、シンフォニーですね。コンサートでオーケストラということもあるので『キューティハニー』みたいな音楽的にアクティブなものをどれだけシンフォニー的に聞かせるか。ただ、リズムセクションを全部取っちゃうっていうのじゃなくて、ちゃんと来てくれた人が「これだよ!」って思えるけどちゃんとシンフォニーになってるっていう両方を併せ持たせる編曲っていうのが難しかったかな。
――逆にそこが聞かせどころでもあるっていう?
和田:そうですね。
あと、今回『デビルマン』を題材に、その曲がどういう曲調で、どうしてそれが名曲になったかっていうところを解説するコーナーもあるんですよ、そこはぜひお楽しみに、といったところですね。
竹澤:和田一樹コーナーなんだよね
――なるほど、和田一樹コーナーで、なぜこの曲は気持ちよく聞こえるのかとかの解説をするわけですね。
和田:本当は全部の作品でやりたいんですけどね。時間がシャレにならなくなるんでデビルマンに絞らせていただいたんですよ。
竹澤:以前『サンダーバード』のフィルムコンサートがあってそこの中で宮川さんが来られて、サンダーバードの曲をテーマ曲や中に入っている挿入曲を自分でピアノを弾かれて、こういう風に編曲して作られてるみたいなコーナーがあって
――作った人間はこんな風な意図で作ったんじゃないだろうかみたいな。
竹澤:そうそう、それが聞いててとても楽しかったので、そういうコーナーをせっかくだったらぜひ和田さんにやってほしいとリクエストしたんです。
――プロデューサーからのリクエストだったんですね。僕は和田さんが『デビルマン』の大ファンだと伺っていますんで、すごく楽しかったんじゃないかなと思うんですが。
和田:楽しかったというよりも、最初は、プロデューサー無理難題言うなぁって思ったんですよ、正直。だけど音楽を聴いてて、なんでこの曲は僕の心をとらえるんだろうと、自問自答的な所からはじまって、きっとこういうところだろうみたいな確認を繰り返した感じですよね。だから楽しかったというよりは、改めて考え直すというか、再確認できたというのはありますね。
竹澤:一応、和田さんの衣装はデビルマン調の燕尾服を特注で作っちゃったから。
――衣装のお披露目は、当日でこうご期待って感じですね。
竹澤:和田さんがビシッとデビルマン燕尾服を着た姿は、当日のお客さんへのお楽しみですね。
――先ほど少しお話ししていただいたんですが、和田さんの永井豪体験はアニメからになりますか。
和田:僕の場合は、時代的にどうしても最初にアニメだったり、『キューティハニー』だったら、倖田來未さんが主題歌を歌っている実写劇場版のほうですね。『キューティハニー』の映画は、ちょうど僕が18ぐらいのときだったのかな、一番すっと入ってきたのはそれですね。今回のアレンジはもちろんオリジナルの方でやってはいるんですけど。
――倖田來未さんのアレンジってほぼオリジナルから変わってないですよね。頭のコントラバスのベベベンベンベンベンのところが入ったぐらいかな。

和田:そうですね。最初はコントラバスのベンベンベン……っていうのをイメージで持ってる人が多かったので、譜面を見て、「あれがないんですけど……」っていう質問をもらったりしもしたんですけど。倖田さんのバージョンは、あとはほとんどオリジナルと一緒ですけどね。
話が変わりますが、たまたま僕の大学の後輩が前川陽子さんの息子だったんです。僕らにとっては、前川さんは『キューティハニー』より『ひょっこりひょうたん島』のイメージが強かったんで、彼はみんなから“ひょっこり”って呼ばれていて「ひょっこりどこ行った?」って感じだったんですよ。
――前川さんといえば『ひょっこりひょうたん島』『キューティハニー』のイメージが強いですよね。
和田:2大看板ですから。残念ながら彼のあだ名は、男だったからキューティにはならずにひょっこりの方だったんですけどね。
――キューティっていったら女子プロレスラーみたいですよね。
和田:そうですね、プロレスラー。
――あと『マジンガーZ』もいいですよね。僕はちょうどリアルタイムで見てたんですよ。
竹澤:僕はちょうど小学校3年生ぐらいで、次の日、学校に行ったらみんな大騒ぎで話題騒然って感じでしたね。
(しばしおじさんたちの思い出話)
竹澤:永井先生の作品は『デビルマン』にしても『マジンガーZ』にしても主人公のキャラクター性が強いですね。単なる強いヒーローの主人公じゃなくて、苦しみとか悲しみとかそういうものも出てるじゃないですか。そのへんのところが、見てても非常にドラマ的だね。完璧じゃないっていうのが特に。
――ヒーローだからって、必ず負けないわけじゃないんですよね。『ゲッターロボ』もそうですよね。
和田:『ゲッターロボ』なんて、ホントに人間臭い話ですよね。

Page: 1 2 3 4 5 6 7

2.5news(編集部)

2.5news(編集部)