その後、マスコミ陣に向けてハイライトシーンが披露された。まずは、第1幕の序景、ナレーションは中村橋之助が務めるが、これが“予告風”で、なかなか面白い。観劇に行く予定があるなら、しょっぱなからここはよく聞いて欲しい。それぞれの決め台詞も絶妙な内容(例:「あなたの、あなたの霧隠才蔵です!」)、映像も使うので、オープニングから見応えありだ。最後に登場するのは、もちろん猿飛佐助を演じる中村勘九郎、ナレーションの中村橋之助に向かって「襲名おめでとうございます!」(アドリブ??)と言うところもあり、ここはしっかりと楽しみたいポイントだ。
それから若干の休憩をはさんで、第2幕の最大の見どころ、もちろん、大坂夏の陣!客席通路を駆け抜ける、もう劇場全体が合戦場と化す。映像も廻り舞台も駆使し、もの凄いスペクタクルシーン、瞬きするのがもったいないくらいの大立ち回りだ。ナレーションも熱がこもる、さながら活動弁士のごとくで舞台上のアクションと上手くシンクロする。
勇士たちの絶命シーンは、感涙。また客席にせり出すセット上で猿飛佐助(中村勘九郎)vs久々津壮介(山口馬木也)の歌舞伎風の殺陣は、もうドキドキもの、その後は霧隠才蔵(加藤和樹)vs仙九郎(石垣佑磨)がワイヤーで登場、なんと空中で一騎打ち!映像で雲が流れ、リアルな空気感、ここまで立体的かつ観客をあっと言わせる大坂夏の陣、舞台『真田十勇士』、楽曲は映画と同じくガブリエル・ロベルト、スケール感のある印象で作品をもり立てる。とにかくド派手な時代劇、活劇は“こうでなくっちゃ”!なお、徳川家康(映像のみ)に松平健が登場する。