【オフィシャルレポート】舞台「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE」本日開幕!

初登場はまだまだ続く。謎多き男、フョードル・D役に挑んだのは岸本勇太。フョードルは今作で超越的な策謀を企てる”魔人”。岸本が舞台に登場するたびに凍てつくような緊張感が漂い、空気がぐっと引き締まる。初登場とは思えぬほど場を支配しており、狡猾なフョードルをすっかり自分のものにした岸本。また、クライマックスに向け盛り上がる中、アンサンブルと魅せるダンスシーンにも注目だ。

そして圧倒的な存在感を示したのが、澁澤役の村田 充だ。今作ではこの世の全てに退屈を覚え、異常なまでに命の輝きに執着し、歓喜する澁澤。その気味の悪さを表情や立ち姿で表現しながらも、刹那的な美しさや寂しさも同時に醸し出す。澁澤という得体のしれない人物を見事に怪演し、人目を奪った。その澁澤と鳥越演じる敦のバトルは今作のクライマックス。澁澤の、まさしく”人間を超えた”超然たる振る舞いと、真っ向から対立する敦の「あがき、まよい、さけぶ」姿は、ぜひその目でご覧いただきたい。

文ステの特筆すべき点のひとつが、シンプルながらも高さと奥行きを生かした舞台美術や、驚きに満ちたアイデアの数々、森羅万象、何にでもなる変幻自在のアンサンブルの活躍と、不可能とも思われる場面を舞台上に出現させる中屋敷の演出力だ。
本公演ではそれらがさらにパワーアップ、プロジェクションマッピングを効果的に用いた照明や迫力ある音響を駆使し、歌舞伎のようなケレン味も加わったスペクタクルな一大抗争劇を繰り広げた。そして高い身体能力と豊かな表現力を持つアンサンブルたちの人力による‟舞台装置”からも目が離せない。 8 名とは思えない、変幻自在な様子はまさしく”文ステ”の華と言えるだろう。
本公演は原作映画を知らなくても十分楽しめるが、リンクする場面も織り込まれているので、ぜひ映画も観てほしい。また、舞台ならではの新たな視点が盛り込まれた今作は、映画を視聴したファンにこそ、見ていただきたいものでもある。その両方を知ることで作品世界により深く入り込めることだろう。

舞台『文豪ストレイドッグス DEAD APPLE』大阪公演は 4 月 18 日(日)まで上演。4 月 23 日(金)より東京・日本青年館で開幕、5 月 5 日(水・祝)まで上演する。東京公演では、全 16 公演をライブ配信もするので、舞台と配信のハイブリッドでその魅力を堪能できる。
全 15 名のキャストが舞台上で織りなす”赤き果実”。是非ご賞味あれ。

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Rie Koike