アニメ『ワンサくん』は1973年4月〜9月に放送された関西テレビの製作の初テレビアニメで旧虫プロダクションが制作した最後のアニメ作品となっている。当時のプロデューサー・西崎義展はその前に『海のトリトン』を製作したが、この『ワンサくん』は第2作にあたり、音楽は宮川泰が担当した。
作中の犬たちであるが、これは擬人化するために人間の演技を撮影したフィルムをトレースして作画、ロトスコープという技法である。またミュージカルシーンのために日劇の演出家を起用する等、凝りに凝った作品であったが、2クールで終了。その翌年の1974年に同じスタッフの企画・製作で名作『宇宙戦艦ヤマト』が製作されることとなったのである。
アニメ『ワンサくん』のストーリーはコメディ路線であったが、後半はシリアスになり、感涙場面もあったが、ラストは“全て演劇”というエンディングは当時、かなり斬新であった。『ワンサくん』舞台化、しかも初、である。