布を使ったコリオ、マイム等でちゃんと人間の動きをみせる。プロジェクション・マッピング等の技術は日進月歩で進んでいくが、要はヒューマンパワー、演劇の基本だ。劇伴がよりパワフルなスコアーでドラマチック、2幕もので休憩を入れておよそ2時間40分程だが、長さを感じさせない構成。もちろん、コミック原作らしい笑いもギャグもあり、こういったシーンは文句なく楽しい。自来也演じる梅垣義明のお笑いシーンは“お約束”、ここは大いに笑っておきたいし、歌う大蛇丸、宝塚歌劇団出身の悠未ひろは中性的な魅力に加え、初演よりさらに“怖く”なって圧倒的な存在感。さらに大蛇丸の化身も登場させ、大蛇丸の恐ろしさを視覚的にわかりやすく見せ、サスケの苦しみをより一層、際立たせる。