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【レポート】ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」

ストーリーは1~27巻まで、基本的なところは初演と変わらないが、昨年にワールドツアーを行った分、キャストたちのキャラクター構築度がパワーアップ、さらなる「NARUTO」の世界が展開、全体として引き締まり、ドラマ性をよりはっきりさせた感じもある。スペクタクルな演出も前回より進化、アクションも迫力が増し、イリュージョンも使い、見応え十分。今回、新しく加わったキャラクター、ロック・リー、インパクトのある登場の仕方で印象づける。「NARUTO」の分身の術、トランポリンを使ったアクション、映像と動きを合わせた“忍者の術”、天井からの長い布を使ったアクロバティックなシーン、もう見どころ満載で、「NARUTO」の物語をよく知らなくても十分に堪能出来る。友情や絆、他者を思いやる心、内なる弱さや矛盾との葛藤といった心理描写が前回より細やかな印象。ラスト近くのナルトとサスケが対峙するシーン、ナルトの想いを知っていてもそれに応えられないサスケ、ナルトの想いが痛い程わかるのにどうにもならない哀しみも感じる。唯一無二の友人としてナルトを認めるサスケの心は本物だ。そんな想像が出来てしまう程のシーンややり取りは、観客を泣かせ、また様々なことを感じさせる。ナルトは、戦いや仲間との交流を通して成長する、いや、ナルトだけでなく、サスケやサクラ、愛我羅、いのやシカマル、チョウジやキバ、シノやヒナタらもまた、成長する。脇キャラもきちんと細かく描いているのが、原作の特長だが、舞台版でも細やかに、丁寧に見せる。桃地再不斬を想い、献身的な愛を貫く白、白を利用していたつもりだったが、間際になって白に対して抱いていた自分の気持ちを認識する桃地再不斬、ナルトたちを見守るはたけカカシやうみのイルカの温かさと男気等、感動出来るところが多い。また、圧倒的な負の感情に包まれた大蛇丸、情け容赦ない冷酷な悪役であるが、ちょっとした台詞に純粋さも感じられるキャラクターだ。

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2.5news(編集部)

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