【オフィシャルレポート】ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』4 ~九州遠征異常あり~開幕!

鉄道路線を擬人化した、鉄道トリビアコメディコミック『青春鉄道(あおはるてつどう)』を原作とした、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』(通称:鉄ミュ)
2015年の初演から好評をいただき、鉄ミュ史上初のスピンオフ公演、コンサートRails Liveを経て、2/14(日)より、本公演第4弾となる、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』4~九州遠征異常あり~が、天王洲 銀河劇場にて開幕しました!

ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』4~九州遠征異常あり~公演は、2/28(日)まで上演し、初日の2/14(日)にはライブ配信(※見逃し配信付き)、そして、アーカイブ配信を2/27(土)を加えて配信します。

オフィシャル ゲネプロレポート

乗務員による注意事項の説明後、今作でステージをひた走る鉄道路線たちが勢ぞろい。東海道新幹線(永山たかし)による号令で、路線たちが自己紹介ソング『つながる青春(AOHARU)』を歌い継いでいくオープニングが始まる。線路がぐるりと描かれているステージの中心で歌う路線を他の路線たちが手拍子やダンスで大いに盛り上げていく。

シリーズを重ねるごとに増えていく新たな路線の楽曲は、爽やかに始まったかと思えばラウドに、ポップやロック、演歌調など、あらゆるジャンルの曲調で展開していく。バラエティ豊かな楽曲にキャラクターの個性があふれ、歌詞からは路線同士の関係性も感じ取れる。「こんな路線たちが繰り広げるのは、どんな話だろう?」と期待に胸がふくらむ。今回は「九州遠征異常あり」のタイトル通り、九州新幹線(馬場良馬)が一波乱起こしそうな気配だ。

オープニング後に始まる本編は、各路線のエピソードをコメディタッチに綴っていくショート・ショート。鉄道の歴史やトリビアの数々が、「路線」から見たものとして感情豊かに描かれる。路線の売上でマウントを取り合うこともあれば、グッズを宣伝したり、歴史を辿ったりと、エピソードが切り替わる度に笑いと驚きが訪れる。どの路線も憎めないキャラクターばかりで関係性も微笑ましく、シンプルな舞台セットを巧妙に使用する演出は見ている者を飽きさせない。魅力的な原作キャラクターを実力派揃いのキャストが演じることで、さらにドラマティックな印象を焼き付けていた。

シリーズ第4弾ということもあり、常連キャストは各路線のキャラクターをしっかり掴んだ安定感で魅せる。役を兼ねるキャストは、それぞれに個性的なキャラクターを見事に乗りこなしており、その演じ分けにも注目だ。シリーズ初参加の輝馬が演じる北海道新幹線は、美声を響かせながら北海道における鉄道の歴史を語ってインパクトを残し、同じくシリーズ初参加の河合龍之介が演じる都営新宿線を始めとする都営地下鉄の面々は、アダルトかつチャーミングな色気を振りまいた。

さらに滝川英治から山陽新幹線 役のバトンを渡された八神 蓮、副都心線 役の岩城直弥、有楽町線 役の石田 隼と、今作から3路線が2代目キャストになり、3人ともキャストの持ち味がキャラクターと絶妙にマッチ。新たなテイストの掛け合いも見逃せない。初参加キャスト&初登場の路線が加わることによって、続投キャスト&レギュラー路線たちの新たな一面も開花している。

そして何より、シリーズ参加歴を問わず全員が生き生きと「鉄ミュ」の世界観に“乗っている”様子がストレートに伝わってきた。登場する路線は増えているが、印象が薄くなるようなキャラクターはいない。むしろ「ここぞ!」とばかりに爪痕を残しまくる路線ばかりだ。あふれんばかりのエネルギーを、堂々としたボケや切れ味鋭いツッコミにかえてぶつけている。
その中でも、東海道新幹線 役の永山たかしが持つ初演から途切れぬ情熱は、作品の大きな支柱。ラスボス感の漂う九州新幹線 役の馬場良馬の存在感も欠かせない。笑いや楽しさ、もしくは「鉄分」が足りないと感じている人にはぜひ見てもらいたい、温かさがあふれるコメディ作品だ。

キャストコメント

東海道新幹線 役:永山たかし

長らくお待たせしてしまった分、最高の時間をお届けいたします。皆様の日頃のストレスを全力でぶち壊せるように、僕らは全力で汗をかきます。
見どころは東海道新幹線として君臨している事……なのですが、絶対王者だった東海道新幹線が因縁の九州新幹線との対峙で「異常あり」です(笑)。今までとは違う東海道新幹線の喜怒哀楽をお見せすることができると思います。そして手綱を引いてくれる存在である山陽新幹線が居てくれる事で、遠慮なく突っ走れます。これまで以上に“新幹線チーム感”が見えるのではないかと思っています。突っ走ったり、翻弄されたり、心が忙しいですが、東海道兄弟はこれまで通りですよ(笑)。
いい意味で通し稽古中にハプニングが起きても、笑いと拍手に包まれる。そんな稽古場の雰囲気が作品に反映されるように思います。
2015年から運行を開始し、色々な歴史を積み重ね、愛に育てていただき、沢山の想いを乗せて、ここまでやってきました。皆様、それぞれ事情はあるかと思いますが、どこにいても、どなたにも、届くような公演に、運行に、いたします。さあ、出発、進行。

銀座線 役・常磐線 役:KIMERU

基本的な姿勢はこれまでと変わっていませんが、初めてのキャスト変更、新メンバーの追加、追加で役を演じるメンバーが増えたりといった新しい動きが多いので、あらためてみんなで作品とキャラクターに向き合いました。
僕が演じる銀座線は、今作で新しく登場する都営の4路線と絡むことができるので、そこの関係性をわかりやすく演じたいと思っています。常磐線に関しては、千代田線との温度感を大事に演じていきたいです。新しいエピソードに注目です!
稽古場では、とあるシーンの渡辺コウジが面白すぎて、笑ってセリフが言えませんでした。本番までに頑張って慣れたいと思います。
昨年の公演は延期となりましたが、こうしてまた「青春鉄道」のステージに立てることがとても嬉しいです。新メンバー&新路線!新たな「鉄ミュ」の幕開けです!劇場で!配信で!ご乗車を心よりお待ちしています!

高崎線 役・都営三田線 役:郷本直也

初登場となる路線も多いので、演る側も観る側も新鮮な景色が多いと思います。今回の「鉄ミュ」では自身初の2役を演じさせて頂ける事になったので、あらためて路線の個性の違いをお楽しみいただけたら幸いです。
稽古場では、相変わらず全力投球で突っ走ってくれる東海道兄弟に終始救われておりました。特に東海道新幹線役の永山さんは座長であり、カンパニーでは年長者の部類に入りますが(それは俺もですが)、出番の度に汗だくになるほど暴れ回っている姿に、みんな良い刺激を貰っていたと思います。
昨今の演劇は幕が開くまでも開いてからも、何かと戦いが多いです。ですが当たり前だった色んな事が大きく変化していく中で、新たな演劇の扉が少しずつ開いているような気がします。そんな中でも変わらない空気と、なんだか少しくすぐったいような懐かしい温もりが、ここにはあると感じています。この空気感を一緒に楽しんでくれる方が少しずつでも増えてくれたら嬉しい限りです。

秩父鉄道 役・都営浅草線 役:森山栄治

今回に限らずですが、ショートストーリーをテンポ良くつなげているところが「青春鉄道」の良さだと思っています。
僕は今回、秩父鉄道だけでなく都営浅草線も演じることになりました。今までは常に1人で一匹狼的なアプローチでしたが、今回は仲間がいるのでチームプレイを意識してます。
稽古場で印象的だったのは、稽古するにつれて芝居がドンドン膨らんで、膨らみ過ぎて秒刻みで縮めていかなくてはならなくなったこと。「このシーンで18秒縮めた!」なんて言っていました(笑)。
皆様、大変お待たせしました。半年以上“遅延”していましたが、ようやく発車する事ができます。安全運転で最終駅まで辿り着ける様に、出発進行!!!

九州新幹線 役:馬場良馬

去年の夏に上演予定だった作品でしたが、今回全員で最大の配慮をしながら、ようやく上演へと向かっています。僕自身に関しては満を持しての「鉄ミュ」本公演に出演となりますので、新しい風を吹かせられるように精一杯務めたいと思います。
演出家の川尻さんや座長の永山さんを始めとする先輩方が現場で良い空気を作ってくださるので、とても伸び伸びと沢山の事にチャレンジできるカンパニーだと思います。でも誰よりもチャレンジしているのが、その大先輩方だったりするので、僕ももっと色々なチャレンジをして先輩方に食らいつけていければと思います。
僕が今回演じる九州新幹線は、思わず素笑いをしてしまうようなキャラクターではないのですが、やり取りをする山陽新幹線役の八神蓮ちゃんの人間性というか天然というか……本人の魅力的な部分が爆発した時に、どうしても我慢できなくて笑い転げてしまう事が多々ありました。本番中に暴発しない事を祈るばかりです(笑)。
まだまだ我慢が多い世の中だと思います。だからこそ『エンターテインメント』は絶対に必要なものだと信じています。1人でも多くの方の何か頑張れるきっかけ、何かラクになれるきっかけになれるよう、全力で『エンターテインメント』をお届けしたいと思います。劇場でお会いできる方、配信の画面越しにお会いできる方、楽しみにしていてください。お待ちしております!!!

副都心線 役:岩城直弥

スピンオフ公演では西武狭山線を演じさせていただきましたが、本公演は初。先輩ばかりの現場ですが、温かい空気を作ってくださるのでリラックスして取り組むことができました。皆さん本当に面白く、稽古では非常に刺激を受けながら、たくさん笑わせていただきました。大好きな現場です!
僕が今回演じる副都心線は金髪でピアスもつけているルーキー。実際、この現場では僕が最年少になるので、ルーキー感を出していきたいです。そして石田隼くん演じる有楽町線をたくさん困らせて、お互いのキャラクターを存分に発揮できたらと思います。
注目していただきたい場面は、渡辺コウジさんがとある衣装で登場するシーン。破壊力が強過ぎたので、本番中にも笑ってしまわないか不安です。これを見て笑わない人はいないと思います。長い“遅延”も終わり、ついに「青春鉄道4」が発車致します。僕たち自身も遅延中にエネルギーを沸々と溜めてきました。このエネルギーを今回の公演にぶつけたいと思います。是非、劇場もしくは配信でご覧ください!

山陽新幹線 役:八神 蓮

今回から「鉄ミュ」に参加しますので、今までつないできてくれたバトンというか、レールに乗って走るつもりでいます。山陽新幹線は東海道新幹線と九州新幹線に挟まれているキャラクターなので、周りに翻弄されながらも、優しさにあふれた人物を演じていきたいです。
カンパニーで印象的だったのは、稽古前にzoom会議をした時のことです。一通り稽古場の説明を受けた後、「ヨガマットは持参して良いのか?」という話になり、その話を10分くらいしていました。年齢層が高いメンバーだからこその会話だと思ってしまいました(笑)。
新たに「鉄ミュ」の世界に飛び込みます。カンパニーの良い雰囲気であったり、「鉄ミュ」ならではの笑いであったり、ほっこりしたり、勉強になったり、いろいろな楽しみ方ができるミュージカルになっています。いろいろと大変な時期ではありますが、公演中の時間だけは「鉄ミュ」の世界観を存分にお楽しみいただけたらうれしいです。

有楽町線 役:石田 隼

「鉄ミュ」カンパニーに初参加となりましたが、とても温かい方ばかりだと思いました。そして常に笑いが絶えない素敵な座組。参加できて嬉しいですし、毎日全力で楽しませていただいてます!!!
僕が演じる有楽町線は、周りに翻弄されて胃薬が必需品という役どころです。それでも周りと関わることを辞めないし見捨てない。なんだかんだで好きなんだな、という印象を受けました。その辺りに注目して見ていただければと思います!
衣裳付けリハーサルの時、渡辺コウジさんの“とあるシーン”で、その場にいた人たちがみんな笑い崩れて稽古にならなかったということがありました(笑)。本番でご覧になる皆様にもぜひ、楽しみにしていただきたいシーンです。
たくさんの方に愛されている「鉄ミュ」。この作品に、このタイミングで出演できるという事は、やはり縁なんだと思います。そして観てくださる皆様と出会うのもまたご縁!この出会いに心から感謝し、楽しく本番を迎えたいと思います!!

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Rie Koike