映像等の”ハイテク”は使用するが、全体としては”マンパワー”な演出。布、パネル、階段の台を駆使し、その上に映像を重ねたり、あるいはスモークで『青エク』の世界を表現する。アンサンブルは大忙し、2幕での杜山しえみ(前田希美)、神木出雲(加藤雅美)が懸命に戦うシーンは布、台、照明を駆使し、迫力のあるシーンに。布をかぶったアンサンブルの動きは怪しくもじわじわと2人を追いつめる。明陀宗の祓魔師は錫杖を駆使した殺陣、燐の降魔剣、雪男の2丁拳銃のアクションシーンは、もうここは文句無しに見どころ。
2017年に今回舞台化された部分を「青の祓魔師 京都不浄王篇」のタイトルで、2017年にテレビアニメ化されるが、2014年、そして2016年と舞台化、表現の違い等、比べて視聴する楽しみがある。それに先駆けての舞台化、しかも2度、大概はアニメが先で舞台が後になるのだが、この下りに関しては舞台が先となる。また同じ部分の舞台化を2度やっているが、演出は全く異なる。
『青の祓魔師』はダークファンタジー、燐を中心とした仲間達の友情や絆、またそれぞれ抱えている劣等感等もしっかり描いている。熱い台詞の応酬はファンでなくても心が熱くなる。