――もとの漫画って、一話完結で短いじゃないですか。原作の『高尾山地獄修業編』は数回分ありましたけど。もともと、ミュージカルの歌うシーンなんか全くないんで、お話のリズムが変わっしまいますけど、気になりませんでしたか。
井上:逆に僕は、乗っていけました。曲を重ねるにつれてテンションも上がっていくし、正直、意味のわからないタイミングで曲が入ったりもしたんで。
中山:「ここ音楽、いらんやろ!」って感じでね。
井上:突然踊ったりね。でも、身体的にはテンションも上がっていったし、逆に演じやすくはなりましたね。
――音楽でテンションが上がっていく。客席もテンション上がっていきましたよね。
井上:お客さんも暖かくなって、やりやすかったです。
――中山さんは、どうでしたか。
中山:この原作をミュージカルでやるのは、革命やなぁと思いましたね。
――僕、前回の記事の中にも書いたんですけど、日本の2大新喜劇の本拠地のある大阪でわざわざやるっていうのがなかなかすごいことやなと
中山:それも、江戸のはなしやのに(笑)。まあ、Patchは関西在住の男だけですから、そこのね、なんかいいところが出れば
――そうですね、笑いの息というか、呼吸みたいなものがわかってますしね。だいたいこういったらこう返って来るやろという。
井上:確かにそうですね。
――でもハズすと、ギャグとかコメディって、すごく辛いじゃないですか。
中山:うわぁこのままずっと続くんかなぁ……って役者が不安になっちゃうと、お客さんも離れていきますからね。
――僕は、サヤーテが凄くてびっくりしちゃって。これは、外したら大すべりやな……って思ったんですけど、客席むちゃくちゃウケるじゃないですか。
中山:そうでしたね、いいタイミングで出てくんねんなぁ。
――で、笑いを全部もってっちゃう。あの直後に出る人らは、大変やなって。
中山:あれは美味しい役やんな。
井上:あれはおいしい。
――でもみなさん、色々いいシーンがあって、磯兵衛も団子屋の看板娘さんの娘さんに対する想いが、凄い出てますよね。座禅で平常心を保つために、妄想の中でキュッと抱いてもらうとか、なかなか良いシーンだなと思いました。
井上:男なら誰しも共感するっていうね……。この手があったか! それは心揺るがへんわな……って。
――あと、川下さんの先生、漫画のまんまですもんね。もうあのプルプル具合が、飛び道具でしたよね。
井上:ですよねー
中山:太洋さんがPatchのみんなを引っ張ってくださったところもありますね。みんな若いから、バーっとなって訳わからんようになったところをキュッと締めてくれるじゃないですか。
井上:もうね、きれいにまとめてくれるというか、見やすくしてくれて
――でも最後、美味しいトコ全部持っていくんですよね。
中山:そうなんですよー。ほんと、そうなんです。
「Fate/Zero」は、Fa…