少年たちが少女たちの物語を読む──7月19日(土)夜、一夜だけの朗読劇「よるのこえ」がニコニコ生放送のロフトチャンネルにて無観客生配信された。
出演は、笠原彰人、杉昇真、二平壮悟、龍人の4人。届けられたのは、小説家・紅玉いづきをはじめとした作家たちが刊行する自主制作合同誌「少女文学」の収録作品。
朗読されたのは『ホワイトデーには幽霊を添えて』 神尾あるみ、『五月闇(さつきやみ)』東堂杏子、『オオカミは、誰』彩坂美月、『ペペ、あなたの小説を読ませて』紅玉いづき、の4作品。一作の朗読が終わるごとに著者がリモートで出演、感想を伝え、その言葉に役者たちが胸を熱くする一幕も。ニコニコ生放送ならではのコメントに笑い崩れ、けれど、朗読に入るとたちまち作品世界へと、観る者を招き入れる。時節柄クリアマスク越し、配信、という形ではあったが、そこには普遍的な、演じることとそれらを受け取る者の喜びと交流があった。
公式ツイッター「配信劇 よるのこえ」では一部動画も発信中。 https://twitter.com/yorunokoe_info
眠れない夜、彼らの語る世界にひととき、ひたってほしい。
終演後、4人の俳優と著者を代表して紅玉いずきさん、演出家・浅野泰徳さんからコメントが到着!
●笠原彰人さん
朗読をこれだけガッツリ演るのは初めてのことで、さらに目の前にお客様がいない……配信という形で送る、という経験が初めてだったので、果たしてどんなふうに届いているのか、気になっています。ただ、全力を尽くしました!
初めて「少女小説」という作品世界に触れて、僕自身も大きな発見がたくさんあったので、これを機会にもっと読んでみたいと思いました。新たな出会いに感謝する機会でした。
●杉昇真さん
自分一人で読むのではなく、相手に読み聞かせるときに、なんというか……テンションとか出しすぎてもダメなんだろうし、抑えすぎてもダメなんだろうし、と思いながら、稽古してきました。
すてきな原作をいただき、すてきな演出をつけていただいて、僕らも短い稽古期間中ながら、全力を尽くしたので、その想いが配信の向こう側まで届いていたらいいな、と願っています。
●二平壮悟さん
……なんだろう……稽古時間があまり取れなかったので、顔合わせのときは不安しかなかったんです。でも、稽古が進んで、それぞれの作品を読み込んでいくうちに、作品自体がおもしろくて、その世界を届けられたら……という熱に変わっていったので、その想いが届けられていたらうれしいです。女性の役は初めてだったので、とてもいい経験になりました!
●龍人さん
まず、無事に終わったことに安堵しています。朗読劇は初めてでしたが、やってみれば朗読も演劇と同じで、思わず身体が動いてしまうような瞬間もありました。なので今後も、朗読劇ももう少し極めて挑みたいと思いました! ほんとうにほんとうに、ホッとしました。愉しかったです!!! また演りたいです!! ありがとうございました!
●少女小説館 代表 紅玉いづきさん
とても素敵なよるでした。緊張をして、手に汗を握って、笑って、そして、涙したよるでした。
読書とは孤独なものです。小説とは、物語にひとり向き合うものです。でも、この朗読配信では、たくさんの人が、同じ言葉、同じ物語に、同時に向き合ってくれました。それは読書では絶対に得ることができない、不思議な感動でした。
「よるのこえ」を視聴してくれた皆様、これから視聴してくれる皆様も。祈ってくれてありがとう、と言わせてください。そして、俳優の皆様、関係のすべての皆様へ。私たちが書いた、物語のために、祈らせてくれて本当にありがとうございました。
私たちも、このこえが誰かに届けといのりながら、今日も明日も、書いていきます。
●演出 浅野泰徳さん
今回、「まっすぐなものを作ろう」そう決めていました。
小細工をせず、役者の才能と声、そして何より、作品の持つ「言葉」の力を信じた、まっすぐなもの。
それを作ろうと、そう決めていました。
生の舞台じゃなくても、配信だとしても、まっすぐは、必ず届く筈だから。
ひたすらに思いをほとばしらせ、時には恋に春めき、時には闇に溺れ、時には救いようのない状況に絶望し、そして最後に、その全てを、疾走する作品の言霊の風で吹き飛ばしたい。
そんな思いで演出させていただきました。
皆さんの元に、そんな言霊の風が届いていたら嬉しいです。
【出演】笠原彰人 杉昇真 二平壮悟 龍人(50音順)
【演出】浅野泰徳
原作提供:少女文学館(少女朗読館)https://note.com/benitamaiduki/n/nd987a29111e7
制作協力:801ちゃん
企画:観劇ファンポータルサイト最善席