ゲームの効果音、すぎやまこういち氏のあの楽曲は、とにかく見事で、曲だけ聴いても充分なくらいだ。音響効果も抜群で臨場感もハンパなく、”耳”から入る『ドラゴンクエスト』の世界と目の前で繰り広げられるリアルな『ドラゴンクエスト』が一体化して観客に迫る。勇者演じる松浦司、高倍率のオーディションをくぐり抜けてきただけあってキャラクター度も高く、また高い身体能力を生かしたアクションは必見。テリー役の風間俊介、アリーナ役の中川翔子、もう”ゲーム愛が止まらない”を感じる程の入り込み方、特に中川翔子はフライングにも挑戦、ゲームの声も演じているが、その勇姿は元気闊達なアリーナそのもの。パノン、ヤンガス、特にパノンの賑やかさは舞台ではアクセントに、田中精が軽快に演じていたのが印象的。ヤンガスは本当に見るからに強そう!ゲネプロでは芋洗坂係長がトルネコを演じたが、流石の芸達者、髙橋洋子の竜の女王は存在感たっぷり。その他のキャラクターも芝居巧者を配し、全体として演者のレベルが高く、観るところが多く、よーく注意して観劇して欲しい。ラスト近くの死闘で物語は最高潮に達する。