――現状、幕が上がらなきゃわからないといった部分はあると思いますが、最後にお客様に対してひとこといただけますか。
佐渡島:これだけ自分たちが「見たい!」って思っているのは、いいですよね。今回僕ともう一人の『宇宙兄弟』の担当は人狼にハマりまくっているので、これは『宇宙兄弟』ファンに刺さりまくるだろって思って、ファンクラブ席も用意してもらったりしたんですけど、ファンの中で人狼ゲームを知っている人が極端に少なくて。
桜庭:イベントやりましたもんね。
佐渡島:そう、イベントやったり色々したんですけど、みんな「ン? 『宇宙兄弟』で人狼ゲーム?」みたいな感じになってて。今年はね、桜庭さんたちのファンの人が『宇宙兄弟』とのコラボを見てくれるって感じで、その人たちが「すっごい楽しかった!」っていうのをいっぱい言ってくれて、今度、『宇宙兄弟』ファンの人たちが「来年やったら絶対見に行く!」みたいなふうに声が生まれるようにもっていきたいなと思ってますね。楽しみですよね。
桜庭:『人狼TLPT X 宇宙兄弟』は「今回も人狼を倒すぞ! おー!」って感じではないんですが、そういう設定だからこその感動などが生まれると思うんですよ。違うパターンを見たいとか、途中で脱落したけどやっさんが一番良かった、とかっていうピックアップされる人が違ってくる、思い入れが毎回違うっていうのは、うちしか今ないことだと思いますし、『人狼TLPT』は参加型でもありますので、思い入れをやっぱり持って見てしまうんですよ。どうしても「この人多分うそつき」って思って見てたりするんで。
――やっぱり好きなキャラいますからね、みなさん。
桜庭:原作をより好きになってほしいですし、私たちがもう好きなので、なんか仲のいい空間になるとおもうんですけど。
佐渡島:いま、だから『宇宙兄弟』のファンクラブの人たちには「人狼見たあとに、どこどこのカフェに集まって感想言い合っては」と勧めてるんですね。
桜庭:1時間は余裕で喋れるはずですね。見るだけでも結構ディスカッションして友達増えたりとか。けっこう、うち親子で見に来たりするんですよ。でも本当にいつもですけど、キャストもスタッフも、本番を何度でも見たいんですよ。キャストなんて、自分が出てないステージ全部に来ようとしますからね。席なかったら上から見るんで照明さんの横から見せてくださいとか。
――ほんとうにこの台本とキャスト表見ただけで楽しみな感じですよね。
桜庭:ちょっと原作のキャラクターをイメージした感じではあったりするんですけど。
――それもお楽しみですね。舞台版キャラもね、誰誰さんチックみたいな。
桜庭:次回やるときに本物が出てくるかもしれないから、あんまり100%寄せるわけにはいかないですね。ほんとうに素晴らしい世界をお借りしてます。
ーー長い時間、ありがとうございました!
桜庭未那(さくらば・まな)
株式会社オラクルナイツ 代表取締役。
総合プロデューサー。二年の構想期間を経て、2012年10月に舞台『人狼 ザ・ライブプレイングシアター』を実現させた。すべての公演の企画・設定を手がけ、ほとんどの公演で声の出演をする一方、#10:WITCHでは演出も担当(吉谷光太郎氏と共同演出)。 演劇と「人狼」ゲームをマッシュアップさせたように、観客参加型エンターテイメントの新しいアイデアに優れ、常に観客の目線とイマーシヴな世界の構築を心がける。本業のかたわら、歌唱や作詞、イラストレーター、デザイナーもこなすマルチプレイヤー。
佐渡島庸平(さどしま・ようへい)
株式会社コルク 代表取締役社長。
2002年に講談社に入社し、週刊モーニング編集部に所属。『バガボンド』(井上雄彦)、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)、『16歳の教科書』などの編集を担当する。2012年に講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社、コルクを設立。現在、漫画作品では『オチビサン』『鼻下長紳士回顧録』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『テンプリズム』(曽田正人)、『インベスターZ』(三田紀房)、『ダムの日』(羽賀翔一)、小説作品では『マチネの終わりに』(平野啓一郎)の編集に携わっている。
【公演データ】
『人狼TLPT X 宇宙兄弟』
2016年7月22日(金)~7月24日(日)
新宿村LIVE
http://7th-castle.com/jinrou/starring.php?x005
主催:株式会社オラクルナイツ / セブンスキャッスル
取材/高浩美
構成・文/菖蒲剛智
撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)MAXPHOTO
選ばれし5名の座長たちによるド…
音楽原作キャラクターラッププロ…