桜庭:『宇宙兄弟』は、悪い人のいない世界なので、消されるというか排除されるときも、ただ、悪態をつく嫌な奴にはならないように稽古してるんですよね。やっさん(古谷やすし)とか暴言を吐けるけど、別にやな奴じゃない
佐渡島:そうですね
桜庭:ああいう物言いなだけで、ちゃんと自分の負ってるものもあるし、認める人を認めることのできるキャラだから……その、どうしても悔しくて排除されるときに「てめぇらみんな落ちろ!」みたいに言いたくなるけど、そういうんじゃない……ていう稽古をがんばってます。
佐渡島:確かに確かに。ぜったい「てめぇらみんな落ちろ!」は言わないですよね。でも、全部アドリブって言うのはすごく難しいですよね。
桜庭:だから普通のお芝居よりキャラ理解が必要で、原作に無い台詞までを考えています。だから人によっては、例えば「ケンジはそんなこと言わない」ってなるとキャラが崩壊してしまうから、自分のキャラクターが原作にある人は必死にキャラを深めています。
佐渡島:原作にあるキャラクターと舞台版オリジナルキャラ、どっちがやりやすいかわからないですよね。
桜庭:わかんない。まだ稽古始まったばかりなんで……でもみんな、やり甲斐が半端ないみたいです。はじめて原作のキャラクターでできるって。今まで世界観をお借りして全部オリジナルキャラとかはあったんですけど。だから六太役の澤田君なんかはもう必死です。