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【レポート】舞台『逆転検事 逆転のテレポーテーション』

 

この逆転シリーズは基本的に会話劇である。ひとつひとつのやり取りの中で人間関係や思惑が見え隠れする。見るからに怪しげな地上げ屋や、一風変わった天間椿、テンション高い飛鳥井友郎らが物語をもり立てる。一見、スタジオで殺されたかに見えて実は違うという御剣怜侍。ジグゾーパズルのようにひとつひとつの”証拠”を丹念に集めて事件の解明に向かっていく。

そんな状況でもお構いなしな大場カオルはここぞというタイミングで御剣怜侍を困らせたり、またいい奴だが、ちょっとズレてる矢張政志やおっちょこちょいで頭の回転が遅い糸鋸圭介らが、イマイチ役に立たないのは”お約束”。こういったファンのツボを押さえつつ、物語は進んでいく。オーバーアクションのところは大いに笑いたいし、観客サービス部分は、もう素直に手を叩いてウケて欲しい。歌はもちろんないが、キレのあるダンスも見せてくれるところもあり、エンターテイメントな部分もあり、それでいて、きっちりと会話中心で進んでいく。悪人はおらず、基本は人情劇で歌舞伎でいうなら世話物、ラストは決してハーピーではないが、ホロリとさせられる。もちろん推理の要素はキッチリの1幕もの、サブタイトルの意味もラストで明らかに、上演時間は2時間弱。もちろん、御剣怜侍の「異議あり!」の台詞も聞ける。和田の御剣怜侍は、まさに当たり役、初演から持ち役にしているだけあって、ポーズもキマっている。一条美雲は今回は大活躍、詳しいことは劇場で!難しいことは考えないで観られる作品、次回作品もつい期待してしまう。脚本・演出は齊藤栄作。

 

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2.5news(編集部)

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