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【レポート】「イケメン戦国THE STAGE 番外編~はじまりの物語~」開幕!



物語は、猿飛佐助(演:早乙女じょうじ)と名乗る前、彼が現代で生きていた頃の話から始まる。
本編の主人公(水崎舞)と同様に、彼もまた突然の雷に見舞われ“戦国時代”へタイムスリップしてしまう。タイムスリップした先で、上杉謙信(演:橘 龍丸)と出会うことになる。
原作では描かれていない、彼が猿飛佐助と名乗るようになるまでのエピソードが冒頭から描かれている。
戸惑いながらも戦国ライフを楽しみつつ忍びとして成長していく佐助と、度々刀を抜いて佐助に絡む謙信(佐助曰く、戦国時代のパワハラ)のやり取りに、注目してほしい。



佐助は乱世の情勢について、謙信から教わった。武田信玄(演:横山真史)との「川中島の戦い」、そして数年の間で力を付けた織田信長(演:小笠原 健)と、信長が最も警戒している本願寺第11世宗主の顕如(演:中村誠治郎)の話を聞く。
「魔王」と呼ばれる信長、「鬼神」のようだと称される顕如、彼らが刀を交える事があれば乱世は必ず揺れると、断言する謙信。
そこで謙信は、ある任務を佐助に与えた―――。


本公演では日替わりだけでなく、シリアスな場面でも、度々笑いを入れてくる。
さらりと挟み込まれたボケに対して、淡々とツッコミを入れる様子が、更に観客たちの笑いを誘う。
「イケメン戦国THE STAGE」は見どころが多くあり、様々な主従の関係や、ダンスシーン、そして何といっても殺陣のシーンが一番の魅力で見どころだ。それぞれの武器の使い方に、個性と感情がよく現れているだけでなく、仲間との息の合わせ方により殺陣に一層迫力を与えている。
殺陣は、戦での鬼気迫るものだけではない。稽古で剣を交えるシーンもある。優しい雰囲気を纏った顕如と、懸命に力になろうとする森 蘭丸(演:星元裕月)、殺陣を通して2人の関係がより濃く感じられるだろう。

『鬼と魔エンド』となる公演では、顕如と信長の両サイドの話が描かれ、双方の視点から物語を観ることが出来る。
物語が進むにつれ関係が歪み、後半は怒涛の展開を迎える。
顕如が信長を深く恨むようになったのは何故なのか、結末をその目で見届けていただきたい。

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Rie Koike