Categories: レポート

【レポート】音楽劇「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -case. 剥離城アドラ-」ゲネプロ公演レポート

【STORY】
『時計塔』。
それは魔術世界の中心。貴い神秘を蔵する魔術協会の総本山。
この『時計塔』において現代魔術科の君主(ロード)であるエルメロイⅡ世は、
とある事情から剥離城アドラでの遺産相続に巻き込まれる。
城中に鏤められた数多の天使、そして招待者たちそれぞれに与えられた
〈天使名〉の謎を解いた者だけが、剥離城アドラの『遺産』を引き継げるというのだ。
だが、それはけして単なる謎解きではなく、『時計塔』に所属する高位の魔術師たちにとってすら、あまりにも幻想的で悲愴な事件のはじまりであった──。


「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -case. 剥離城アドラ-」では、音楽劇という事もあり物語の随所に歌が登場する。
本作の作曲は、演劇界で人気の和田俊輔が担当。剥離城アドラを舞台に繰り広げられる物語にふさわしい、神聖で荘厳かつダークな世界を音楽で表現した。
要所要所で歌が登場し、その度に観客をこの世界に引き込む。
主演でロード・エルメロイⅡ世を演じる松下優也の甘美で力強い歌声と、グレイを演じる青野紗穂の透き通るような歌声が織り成すハーモニーを、是非堪能していただきたい。


天使の像や装飾が印象的な、剥離城アドラ。
柱、壁だけでなく、天井に描かれた天使までも表現した美術セットは息を呑む美しさだ。そして紗幕に映像を投射し、魔術や場面転換を演出。舞台がより迫力があるものとなっている。
また、本公演では魔術の表現に、マジックやイリュージョンの数々が用いられる。魔術世界がすぐ目の前にあるような、思わずそう錯覚してしまうマジックやイリュージョンが多く登場するので、こちらも楽しみにしてほしい。

Page: 1 2 3 4 5

Rie Koike