今年2月に開催された鈴木さんの俳優デビュー10周年と30歳の誕生日を祝うイベントでは、鈴木さんを「苦悩する人」と語っていましたね。松田さんから見て鈴木さんはどのような方なのでしょうか。
言葉を選ばないといけないな……と思うのですが、勝吾くんは哲学者なんです。現状や持っている知識に満足せず、納得いくまで常に学び続け、考え尽くす。役者だけでなく、人間はそれぞれの在り方で努力すると思うのですが、勝吾くんの場合は苦悩して得られることを知っている、というか。そして、苦悩しないとお芝居ができないとも思っている。
苦悩は「苦しんで悩む」と書きますが、勝吾くんにとっての「苦悩」は決してネガティブな意味ではないんです。僕だって成長していると思いたいのに、会うたび「すごい」と思わせてくれる彼はもっとすごいんですよ。
前回のインタビューで鈴木さんに「気持ちをうまく伝えられない」とお話させていただいたのですが、お二人は伝え方や自身の在り方について考えているところが似ているのかな、と感じました。
「言葉知らず」という言葉がありますが、言語や単語を学べば、気持ちをうまく伝えられるかもしれないじゃないですか。でも、あえて伝わらない言葉で説明した方が届くこともある。それも踏まえて「伝え方」の選択肢を広げられるように考え、学び続ける……。そういうところは、僕と似ていると思います。
鈴木さんへの愛が伝わってきます。そんな鈴木さんを一言で表すならどんな存在ですか?
「日本で何人か存在するピーターパンのうちのひとり」です。心がスレていない、純粋な人。たくさんの経験を通して、知識を身につけて、なおかつ勉強家で……。そんな勝吾くんのそばにいて、僕もスレていない心の持ち主でいたいと思っています。