舞台、幕開きは合戦後のシーンから始まる。武将たちが倒れている光景、力を誇示し、武勇を立て、天下を目指した末の戦いの顛末、そこへ笠を被った僧が現れる。真田幸村のモノローグが劇場に響き渡る、「誰もが己の信念により……」皆、自分が信じた道を突き進む、夢のためなのか、自国のためなのか、家のためなのか、皆、目的は異なるが、そのためには命さえも惜しくないそんな”もののふ”の生き様は熱く、激しい。そんな煮えたぎる心情と戦乱の世をアナログ的に表現する。アンサンブル陣の激しいコンテンポラリーダンス、布や旗を使い、縦横無尽にところ狭しと駆け抜ける。「反骨の魂だ」長宗我部元親は叫ぶ。
各武将の策略、想いが交錯する。熱い台詞の応酬が観る者の心を燃やしてくれる。1582年、あの”本能寺の変”、炎上する様をアンサンブルが赤い旗をはためかせて表現する。そして秀吉は「信長を超える存在に」と言って光秀を滅ぼす。「皆が笑って暮らせる世」を創るという主君の夢を実現させるべく、側近の石田三成は己の知恵と力で戦に挑む。クライマックス、四国攻め、史実では安土桃山時代の1585年に行われた羽柴秀吉と長宗我部元親の戦争、ゲーム的な効果音、和楽器主体の楽曲が「戦国無双」の世界を盛り上げる。”友のため、主君のため、夢のため”、強者どもが刀を交えるが、その先にある景色は果たして……。