ーー先日千秋楽を迎えたばかりのTRUMPシリーズ『COCOON 月の翳り星ひとつ』ではアンジェリコ・フラを演じました。演じるに当たって工夫したことはありますか?
安西:精神コントロールです。『COCOON 月の翳り星ひとつ』はとにかく肉体的にも精神的にも過酷な作品で、そのなかでも大変だったのが精神のコントロールで……。アンジェリコは「繭期」といういわゆる思春期の不安定な少年。なので、いろいろな方法を使って平常心で舞台に上がれるようにしていました。
その前のDisGOONie『PHANTOM WORDS』(2019年3月)ではとにかく楽屋で常にいろんな方とお話していました。役によって自然と楽屋での過ごし方も変わっていますね。
ーー自然と変わるんですね。安西さんが演じる上で意識していることはあるのでしょうか。
安西::「お客様にしっかり物語を届ける」ことです。それは、稽古や本番中問わず常に意識していますし、何をするにも根幹にあります。
ーー物語を届ける、ですか。
安西:そうです。言葉にすると難しいのですが、自分の役はあくまで届ける物語の一員。最終的なゴールは「物語を届けること」であって、「役を前面に出すこと」ではないんです。
なので、僕自身や演じている役を押し付けるのではなく、物語を届けることを大切にしています。そのために、どんな役であっても「物語のなかでどのようなポジションで、その役の目的」を考えて芝居をしよう、と。