神永さんは2011年にミュージカル『テニスの王子様』(通称:テニミュ)にて立海大学附属中学校の部長・幸村精市役で舞台デビューし、注目を集めました。現在では2.5次元舞台だけでなくストレートや朗読劇、映像などさまざまなジャンルで活躍していますね。
神永:テニミュという大きな作品でデビューさせていただいたときは右も左もわからない状態で、卒業したあとに「あの環境は恵まれていたんだな」と気づいたくらい、目の前のことに一生懸命でした。
テニミュももちろん大切な作品ですが、卒業後の作品はまたちょっと違った大切さなんです。演出家にたくさん鼻を折られた作品、というか……。
鼻を折られた。
神永:はい。もともと天狗になっていたわけではないけれど、演出家から「下手くそ!」「こいつに芝居教えてやれよ!」と言われて悔しい思いをしました。でも、自分に足りないことだらけなのもわかっていたし、何より「ここで挫けたら成長できない」と食らいつきました。
今だから言えますが、テニミュ卒業後の数年間は“鼻を折られる”時期でしたね。
“鼻を折られる”時期を、神永さんはどう乗り越えたのか、教えてください。
神永:まずは先輩に「どうしたらいいんでしょうか」と聞いて、たくさん教えていただきました。それでもわからないときは、土手に行って瞑想……とか。それで答えが見つかるわけでもないのに、いま思えば逃げていたんだろうなあ(笑)。とにかくアドバイスを受け止めて「成長してやるぞ!」の一心で食らいつきました。