【3.0レポート】『新・幕末純情伝』

”沖田総司は女だった”という奇想天外な設定で舞台のみならず、映画化もされた本作、この沖田総司役も多くの女優が演じてきた。松井玲奈は”9代目”になるが、長台詞もこなし、殺陣に芝居に大健闘、また、T.M.Revolutionの『WHITE BREATH』にのせて石田がド派手に登場、ここで沖田総司と坂本龍馬の運命の出会い。また沖田総司の部屋にあんま師のふりをして龍馬がやってくるシーンはひたすら可笑しく、笑ってしまう。

石田はつかこうへいの独特のたたみかけるようなセリフ回しもスムーズに、シリアスな場面もコミカルな場面もしっかりとした演技で芸達者ぶりを発揮する。対する土方歳三の細貝圭は舞台映えする長身で、アクション、殺陣がかっこよく、当たり役。

その他のメンバーもつかこうへい独特のイントネーション、長台詞をこなし、まさに”つかワールド”、言葉のひとつひとつに重みがあり、歌って踊る、といったエンターテインメント性も抜群、当時の時代、昭和の、あの熱い空気感が劇場全体に充満する。ちょっとアドリブ的なところもあり、ここは聞きどころ。ストーリーは沖田総司をめぐる恋愛模様が主軸になっているのだが、それぞれの思惑、企み、幕末の怒濤のような時代の激流に翻弄される沖田、坂本、土方ら、その中で懸命にもがき生きる。熱く、極限まで生き抜く様は率直に感動する。その全てのキャラクターの運命が嵐のように渦巻きながらラストに突入していく、まさにこれがつかこうへい芝居の真骨頂、これからも繰り返し上演され続けることであろう。

 

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2.5news(編集部)

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