初演の再演ではあるが、俳優陣も”続投”と”お初”、演出も変わり、ほぼ新作に等しい。幕開きは客席から苗木 誠が登場する。晴れて希望ヶ峰学園に入学出来た喜びにあふれ、楽しい学園生活を夢見て門をくぐると……。
ストーリーは初演やアニメと同じなので、物語の展開や誰が殺されるのか、おしおきされるのは誰なのかはわかりきってはいるのに、何故かドキドキ、キャラクター紹介は映像を使用しているものの、今回はガラリと趣きを変えて極めて”マンパワー”な演出に徹している。近年のゲーム原作舞台はプロジェクション・マッピング等、ハイテクな技術を多用し、ゲームがそのまま舞台に上がった感で、迫力ある場面が多く見受けられるが、これは、ひたすら人の動きで見せていく。”モノクマダンサーズ”、初演から重要な役割を担っていたが、そこは変わらない。いままではニコニコしながらおしおきをしたり殺したりしていたのに対して、今回は顔を白黒に塗り、無表情、無機質感がひたひたと恐怖心を助長する。動きも直線的な印象のコリオが多く、冷酷無情な空気を醸し出し、閉ざされた空間でのコロシアイ学園生活の底知れぬ恐ろしさを感じさせる。