舞台は、史実通り15年で終わらず、25年もの歴史を築いた大正時代。この世界では、はるか昔より「文字には魂が宿る」と伝えられており、とくに強い想いが込められた手書きの本からは”アウラ”と呼ばれる不思議な光が発生するといわれている。世間では、そんな”アウラ”が原因だとされる「手書きの和綴じ本を読んだものが自殺をする」事件が多発していた。
物語は、弟・ヒタキが”アウラ”の力による焼身自殺を図ったことをきっかけに、大半の人には見えない”アウラ”が見えるようになったヒロイン・久世ツグミ(演:大和田南那)が、その能力を活かすため、本を収集し保護する機関『帝国図書情報資産管理局(通称・フクロウ)』の仲間入りをするところからはじまる。
ツグミの能力を利用しようと試みる敵対組織・カラスに狙われながらも、ツグミは、”アウラ”が宿った本を探す『巡回』業務を通して、フクロウのメンバーや街の人々と交流を深めていく。やがてフクロウのリーダー的存在・尾崎隼人(演:杉江大志)とともに”アウラ”が原因とされる事件を追うことになるのだが、そんな隼人には、ある過去があった――。
果たして、カラスから逃れることはできるのか。隼人、そして登場人物それぞれの信念とはいったい何なのか……。この作品では、怒り、嫉妬、憎悪といったあらゆる感情がぶつかり合っている。“アウラ”をきっかけに引き寄せられた彼らがたどり着くその先を、ぜひ劇場で見届けていただきたい。