【インタビュー】本格文學朗読演劇 極上文學『春琴抄』演出キムラ真さんインタビュー

劇場に来て演劇空間を体験して欲しい

――劇場も今回小ぶりな濃密なところでの上演なので、距離が近いですよね。

キムラ:僕は毎回、ロビーにお客さんが入ったところから演出するんです。実は、勝手にライバルだと思っているんですが、東京の世界的テーマパークに勝ちたいんですよ。あそこって、モノレールに乗った時から楽しくて、着いた瞬間に遠くにあの景色が見えて、向かっていくと若干坂になってて自然とドキドキするように演出されてるんですよね。ドキドキすると、人は「見たい見たい!」ってなって、ゲートをくぐる瞬間に空間がわーって広がる。だからみんなワー!って走って行くんですけど。
今回の公演は新宿と大阪のビジネスパークの駅近くなんですけど、本当は駅から演出をやりたいぐらいなんですよ。だけどそれは難しいので、劇場に入った瞬間から始まるようにしています。具現師って呼ばれるパフォーマーのみんなが、作品の世界観を表現してくれて、開演までの時間も楽しんでいただけるようになっています。

――ちょっと早めに行くのがポイントですね。

キムラ:そうです。僕はもう、存分に楽しんでもらいたいと思って演出してます。頭から見せ場があるんで、遅れてくると絶対損するから、ロビーに入った瞬間から楽しんでほしいですね。

――「ぜひ開演10分前にお越しください」という感じですか?

キムラ:「早めにお越しください!」ですね。極上文學は物販もそうですけど、すべてお客さんに楽しんでもらうために、制作もキャストもスタッフも一丸となってつくり上げています。客出しのときにも、ちょっとしたお楽しみがあるので、難しく考えず、ただ楽しみに来て欲しいですね。
演劇って……テーマパークじゃないですけど、テーマパーク大好きなお客様が来ても楽しめるような舞台空間になっていると思いますので。

――上演時間だけじゃなく全体が演劇空間で、それを体感していただくってことですね。

キムラ:そうですね。タイトルに文学ってついていますが、決して堅苦しくないので、劇場に楽しみに来てほしいですね。


キムラ真(きむら・まこと)

作家・演出家・俳優・ナイスコンプレックス代表
1981年7月17日生、宮城県生まれ、北海道育ち

2007年ナイスコンプレックス旗揚げ、ほぼ全作品、作・演出。ときどき出演。
2012年「極上文學」シリーズ『銀河鉄道の夜』より演出として参加。
主な作品に『極上文學』シリーズ、『PERSONA3 the WM』シリーズ、
『のぶニャがの野望~幸村と五輪の剣~』ほか

 

【公演データ】
本格文學朗読演劇 極上文學 第 10 弾『春琴抄』
演出:キムラ真(ナイスコンプレックス)
脚本:神楽澤小虎(MAG.net)
音楽:橋本啓一
出演:〈読み師〉和田琢磨、伊崎龍次郎、藤原祐規、松本祐一、富田 翔、足立英昭、鈴木裕斗、桝井賢斗、 大高洋夫、川下大洋 〈具現師〉赤眞秀輝(ナイスコンプレックス)、福島悠介、 神田友博(ナイスコンプレックス)、 濱仲太(ナイスコンプレックス)、太田守信(エムキチビート)

 

 

 

  

 

日程:東京公演:2016 年 6 月 16 日(木)~6 月 19 日(日) 全労済ホール/スペース・ゼロ
大阪公演:2016 年 6 月 25 日(土)~6 月 26 日(日) 大阪ビジネスパーク円形ホール

公式サイト:http://www.gekijooo.net/

取材/高浩美、構成・文/菖蒲剛智
演出家・撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)

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2.5news(編集部)

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