ちなみに肉体を惜しげもなく披露しているカットもその場で撮影が決まったそうで、「なんか脱いでほしいという話はずっと聞いていたんですけど、どうします? って言っていて(笑)、でもホテルもかっこよくて、脱ぐカットが一つ二つあるのも結構かっこいいかも、他がファッションに寄ったり街にフォーカスが当たっていたりする部分もあったので」と撮影の経緯を話した上杉。突然脱ぐことが決まったとは思えない肉体美に、記者から思わず「普段から鍛えているんですか」と問われると、「鍛えていないです」と驚きの答えが。「良い具合に筋肉を出してもらう光を作ってもらったんですよ(笑)」と謙遜したが、「基本的にお仕事で脱いだりするのは僕は抵抗はないです。映画でも全部脱ぐのは抵抗ないし、平気です」とプロ魂も見せた。
今回の撮影の舞台となったニューヨークは、上杉にとって「元々ずっと憧れの街」だったそうで、記者からニューヨークの魅力を聞かれると、「長くなっちゃうんですけどいいですか?(笑)」と目を輝かせながら、「ニューヨーク出身の音楽家だったり、アーティストだったり、映画もニューヨークが舞台の作品がすごく好きで…」と力説。そんなニューヨークでの撮影が実現した経緯を上杉は、「結構わがままを言ってニューヨークに行かせてくれってお願いをした」と明かし、「初めて(ニューヨークに)行ったのが、僕がこのお仕事を始める直前だったんですよ、それでいつか仕事で行けるようになりたいなって思っていたら、今回の機会だった。(僕が)成長している途中の今と、小浪さんがニューヨークに住んでいる今がすべて合わさったタイミングだった」と振り返った。
そんな待望の撮影を通して上杉は、「意外とニューヨークに馴染めるな」と感じたそうで、「いろんな国籍の人がいるし、そこにアジア人一人ってことが変わったことじゃないから、意外と自分がそこでの生活に順応出来るっていうことは発見でした」とにっこり。「なんか“かっこつくじゃん、俺”と思いました(笑)。映画の中にいるみたいな気分でした」と憧れの地で過ごした夢のような時間を語った。
さらに上杉は、仕事で再びニューヨークへ行くことを熱望。「(ニューヨークは)文化や情報の最先端の街で、すごく魅力的だなって思うので、自分の身を置いてみたい」と気持ちを述べ、「でもニューヨークに限らず、香港とか台湾にもすごく行ってみたい。長期的に海外に行きたいっていうのが第一なんですけど」と海外での仕事に対する憧れも。「向こうの映画がすごく好きだったりもしますし、行ったことがない土地、特に海外でその場に体ごと行って、他の国の人たちと仕事をするというのはまた全然違う感覚なんだろうなって思うので、毎年そんな感じで転々と出来る人間でいたら面白いだろうなと思います」と理想を語り、「そういう欲求がすごく湧いてきました。すごく行きたいです」と新たな目標に胸を膨らませた。
話は写真集のタイトルの話題へ。「(ニューヨークに)仕事で行ったのは初めてで、撮影するのも初めてのなかで、なんか初めての感覚が全然しなかったんですよ」と。「そこに僕が普段ずっと暮らしていて、朝起きて、シャワーを浴びて、撮影に出て、ご飯を食べて帰ってくるというようなルーティーンが、たった二泊ぐらいの間で自分の生活の一部みたいな感覚がして不思議だったんです。それでタイトルを考えている時に、あの感覚はちょっとデジャヴって言葉に合うなって」と理由を明かした。「あと松田優作さんのレコードで『DEJA-VU』というのがあって、めちゃくちゃかっこいいジャケットがあるんです、“デジャヴいいじゃん!”ってそこから取ったんです」と裏話も飛び出した。
そんな思い入れの強い写真集の中でも、特にお気に入りのカットは、ニューヨークの街明かりの中で自然な上杉の表情をとらえた一枚だそう。「この写真の僕ってキラキラしていて、自分ってこんなキラキラした顔が出来るんだと思って、普段は目が怖いとか、冷たい目をしているとか言われることが多いんですけど(笑)、こんなに自分がわくわくしたりキラキラした顔ができるんだなって思って選びました」と、写真集を通して新たな自分も発見したのだとか。