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【レポート】ミュージカル『王家の紋章』、楽曲も披露、期待値MAXな製作発表会

楽曲も披露、期待値MAXな製作発表会

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2016年、5月16日、都内某所で、ミュージカル『王家の紋章』の製作発表が賑やかに行われた。話題作とあって、早くから大勢の報道陣が詰めかけた。重厚で壮大な音楽にのってキャストの方々が次々に登壇した。主役・メンフィス役には帝劇初主演となる浦井健治、ヒロイン・キャロル役には宮澤佐江と新妻聖子 (Wキャスト)、イズミル役に宮野真守と平方元基(Wキャスト)、ライアン役に伊礼彼方、アイシス役に濱田めぐみ、イムホテップ役に山口祐一郎と、様々な分野で活躍するトップクラスの俳優が登場したが、皆、衣装に身を包み、なんとも華やかだ。それから、さっそく楽曲を披露してくれた。まず最初は、浦井健治と新妻聖子のデュエットから。まずは『Where I Belong』、新妻の透き通った声でのソロから入り、それからゆっくりと浦井健治が登場し、浦井のソロ、そしてデュエットに入る。向かい合いながらロマンチックな雰囲気、巨匠シルヴェスター・リーヴァイらしい美しくも華やかなメロディでキャッチーで耳に残る楽曲だ。曲が終わり、新妻がはけて、次の曲『Unrequited Love』、まず、冒頭は浦井のソロ、そこに宮野真守と平方元基が登壇し、2人の歌声が響く。そして宮澤佐江と濱田めぐみが加わり、まず、宮澤のソロ、そして濱田の歌声が加わり、女性だけのデュエット、そこから男性陣も加わって五重唱となった。優しくも深みのある雰囲気の楽曲で、本公演が楽しみな歌唱披露であった。

会場が感動に包まれたところで、会見となった。登壇者は浦井健治、宮澤佐江、新妻聖子、宮野真守、平方元基、伊礼彼方、濱田 めぐみ、山口祐一郎、演出の荻田浩一、さらに、原作の細川智栄子あんど芙~みん、豪華過ぎる顔ぶれで、たくさんのシャッターが切られた。

この作品は1976年から現在まで秋田書店『月刊プリンセス』にて連載が続いており、単行本は2015年の7月に第60巻が刊行されており、”少女マンガの金字塔”、そして”大河ロマン”、累計発行部数はおよそ4000万部、この度世界初のミュージカル化となる。また、今回の会見にはおよそ230名という大勢のファンがつめかけたが、予めHPや『月刊プリンセス』にて観覧希望者を募り、なんと7000名程の応募があったそうで、幸運のオーディエンス、ということになる。

まず、原作者から挨拶……ところがマイクがOFFだったようで、山口祐一郎や伊礼彼方がすかさずフォローに入り、山口が「聞こえますか〜、入ってますか〜」とマイクのテストをするというハプニングにやや緊張気味の会場の空気が一気に和み、笑いが起こった。お2人から「ワクワクしています」「是非、帝国劇場へお越しください」等の言葉が出た。マンガから舞台に、原作者にとっては、夢のような出来事なのかもしれない。続いて演出の荻田から「原作を読ませて頂きましたが、初めての舞台化、奇跡のような瞬間で、感謝……ワクワクしています」とのコメントが出た。これはスタッフ、俳優陣はもちろん、観客も同じ想いであろう。また、劇場は帝国劇場、様々な名作が上演された場所、浦井は「初の帝国劇場主演で嬉しいですが、ド緊張しています」と挨拶、宮澤は「帝国劇場に立てるとは夢にも思わなかった、一生懸命、頑張ります!」とコメントした。新妻は原作ファンだったようで「小さい時から読んでいました、武者震いがします……”失礼”がないように演じます」とコメントした。続いて宮野は「あの『王家の紋章』、幸せな事です。劇団ひまわりに入って……そして、ここに(帝国劇場に)立てる、感動です。舞台出身ですし、これから、どんな仕事が出来るのか、楽しみです」と感無量。平方は原作を「五感をくすぐるマンガ」と評した。登場人物たちの思惑が絡み、しかもタイムスリップする、多くのファンの気持ちを代弁したコメント。唯一、現代の格好をした伊礼は「この中で、一番、まともな格好です」と会場を笑わせた。「私だけ、現代人です」とコメント、キャロル役の新妻が「私も(現代人)!」とアピールしたが、伊礼に「すぐにタイムスリップしちゃうじゃないか〜」と”逆襲”され、会場は大笑いになった。この中で唯一、”以前にエジプト人になった”ことのある濱田は「女性の想い、生々しい感情を舞台上で演じられたら」と流石のベテランな発言、最後に山口が「今年の夏、夢あふれるロマンをお届け出来たら……よく考えたら僕は関係ないことを再発見しました(笑)」とコメントし、会場はまた笑いが起こった。

 

 

人気作故にアニメ化等の話はあったそうだが、お断りしていたそう。「テレビドラマのお話を頂いたとき、マンガを描くスピードが違いまして、すごく苦労したことがございます」とコメント。それからは一切、断ってきたとのことで、いわゆるメディアミックスはされなかった。これまでに『王家の紋章』 イラスト・ストーリー・ビデオ・オリジナル・サウンド・トラック等は過去に出ている。そういった意味では、この舞台化はかなりの出来事と言える。その分、マンガに力を入れたという。「だから、こんなに長く続いたんだと思います」と感慨深く語った。ミュージカル化を決めるにあたっては「4巻までだったら」とのこと。さらにプロデューサーが「素敵な方」だったので快諾に至ったそう。それだけ、真摯に、「誠心誠意マンガと向き合ってきた」ということの証、大作はそうやって生まれるものなのかもしれない。

原作の魅力について、宮野は「全てのキャラクターに共感出来る部分がある」と語ったが、主要人物だけでなく、脇役までもが人間的な魅力と共感にあふれているからこそ、超人気作たる所以であろう。また新妻は「メンフィスは少女マンガにおける元祖王様!」と語り、平方は「各キャラクターが運命に翻弄される」とコメント。”キャロルは、メンフィスはどうなってしまうのか”、このハラハラ、ドキドキ感がこの作品の魅力のひとつであろう。

 

楽曲は『エリザベート』『モーツァルト!』など世界的な名作ミュージカルを数多く手掛ける巨匠シルヴェスター・リーヴァイ、キャストからは「いままでで一番POPかも」(新妻)、「今迄に聞いたことのない曲」(平方)「細胞が動きます」(伊礼)、「人間の感情が感じられる、現代的」(濱田)、「宇宙がある、音楽の神様、日本人の役者が歌いやすいように変えてくれる」(山口)とのことで、今日発表になった楽曲以外もかなり楽しみである。
公演は真夏の8月、古代エジプトと現代と、時空を超えたロマン溢れる物語、期待値MAXなミュージカルであることは間違いない。

[出演]

浦井健治(メンフィス)


宮澤佐江(キャロル:Wキャスト)


新妻聖子 (キャロル:Wキャスト)


宮野真守(イズミル:Wキャスト)


平方元基(イズミル:Wキャスト)


伊礼彼方(ライアン)


濱田 めぐみ(アイシス)


山口祐一郎(イムホテップ)


荻田浩一(演出)


細川智栄子(原作)


芙~みん(原作)

[公演データ]
ミュージカル『王家の紋章』
2016年8月5日〜8月27日
プレビュー公演
2016年8月3日〜8月4日
帝国劇場
http://www.tohostage.com/ouke/

©細川智栄子あんど芙~みん(「月刊プリンセス」)

取材・文/高浩美
撮影/洲脇理恵(MAXPHOTO)
動画撮影/冨田祐太郎

2.5news(編集部)

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