■STORY■
哀しいほどに ひたむきな愛
自由のためなら命をかけ、死してなお、ロマとして生きる
1830年スペインのセビリア。軍の規律に忠実な衛兵のホセは、妖しい魅力をもつロマ族の女工カルメンと出会う。そして一瞬で燃え上がるような宿命の恋が始まった。ホセは誰の指示も受けず自由に生きるカルメンに身も心も溺れ、後戻り出来ない状況に陥っていく。だが、カルメンは「私って女はきっとあんたを不幸にする」と言い放つ。
カルメンの魅力に翻弄された男はホセだけではなかった。ホセの上司・スニーガ中尉、カルメンの夫・ガルシア、イギリス貴族・ローレンス ― 彼らに嫉妬したホセの愛は狂おしいまでになってゆく……。
それから約50年後、フランス人学者・ジャンはカルメンの足跡をたどるうちに、彼女を知るという老人と出会う。老人の話から浮かび上がってきたカルメンの意外な真実とは……。
死してなお多くの人の心を揺さぶる、カルメンの熱い魂が現代に語りかける。