さて、そんな相手との試合に臨む青学、どんな試合を見せてくれるのだろうか。
新曲は全部で11曲、登場する曲は全部で20曲なので半分以上が新しい楽曲となる。また既存の楽曲もちょっとアレンジを変えていたり、と曲を聴いているだけでも楽しい。初演からの演出、照明でテニスボールを表現するのは“健在”であるが、映像演出もあって、ここが3rdシーズンらしいところ。また、立海中の幸村精市が病から復帰、チーム一丸となって頑張ろうとする姿は清々しい。テニミュらしい友情や絆、成長、といったテーマはもちろん、手塚国光(宇野結也)のテニスに対する姿勢は心が揺さぶられる。もちろん、全国大会を制覇したいのはどのチームも同じだが、彼のテニスへの愛と志の強さが試合に表れる。ひとつひとつの打球に魂を込める。だから部員に慕われる部長となり得るのだと改めて実感する。そんな彼に軽口を叩く越前リョーマだが、その言葉には手塚に対する尊敬の念も感じられる。
ひとつひとつの試合は手に汗握る、熱く、本当に汗がほとばしる。そして、この公演が最後になるメンバーの想いもあり、その姿とキャラクターの心がリンクする。原作を読んでいれば、結末もわかっているのだが、それでも何度となく足を運ぶ観客もいる。ここにテニミュのマジックがある。
“本編”が終わればライバル同士、テンションアップで歌って踊って、客席通路を駆け抜ける。ここは手拍子等で大いに盛り上がりたい。