【3.0レポート】音楽座ミュージカル「リトルプリンス」

この物語ではおなじみのキャラクターが次々と登場する。命令ばかりする王様等、スピーディーに次々と出てくるので、ここはテンポよくしかもわかりやすい。このキャラクター達、観客にはたと考えさせられるような人々(?)ばかりで、そこが作品の魅力でもある。妖艶なバラ、艶かしいヘビ、シャイでちょっと可愛いキツネ等、生き生きとしており、思わず見入ってしまう。原作もそうだが、哲学的で美しい台詞は心を揺さぶる。
大層なセットを組まずに、観客の想像力に任せるような演出、群舞は迫力もあり、それでいて独創的、最後のコーラスは心揺さぶられる。「必ず見つかる 必ず何かが♪」と歌う、このミュージカルのテーマでもある曲、じっとしていただけでは何も起こらない。原作者のスピリットが感じられる瞬間だ。芹が谷スタジオという濃密な空間、観客参加型でアトランダムに観客も“キャスト”になれる。俳優陣と一緒に演技することに!皆、最初はぎこちないが、慣れるに従って溶けこむ。そういう形で観客を参加させるのは難しいが、この作品においては案外スムーズ、ここはちょっとしたサプライズ。
観客が座っている座席近くの通路も使う。劇場ではなく、こじんまりとしたスタジオなので、俳優陣は本当に観客の真近で演じている。この濃密な空間でのミュージカル、本当に五感で体感出来る最高と成長。不朽の名作のミュージカル化、また上演する時はどんな景色を見せてくれるのだろうか。

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2.5news(編集部)

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