劇団公演として 3 年ぶりになる、待望の書き下ろし新作。挑戦を続けるケラリーノ•サンドロヴィッチ(KERA) が、豪腕俳優陣が揃うホームグラウンド、ナイロン 100°C、今回は、”金持ちの家族と乞食の家族が入れ替わる話”を、別役実的な文脈で描く”不条理喜劇”になるとのこと。
金持ち家族、どこかのヨーロッパっぽい感じの国のとある一家という風情。上品に振る舞う一家、しかし、その会話が……どこかおかしい。笑う時も品性を失わず、それがかえって会話のおかしさを助長する。ソファにシミが……マーマレードのシミらしい（このシミに注目）。家長らしくふるまう「パパ」とたおやかに従う「ママ」とイケメンで颯爽とした息子に綺麗なドレスを着た、可愛くもマイペースな娘、何不自由なく、女中もいる上流階級の一家。その外には……ちょっと不思議なホームレスな一家、シュールな人々だが、基本的には仲が良さそう。この金持ち一家とホームレス一家が、徐々に入れ替わっていく。狂言回し的なマギー演じる使用人、何かを企んでいるような……。
