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【レポート】舞台版『ヘルプマン!~監査編~』

原作通りにストーリーは進行するが、時折、原作にはないエピソードが挿入される。しかし、その内容は原作を膨らませ、作品世界や介護の実態や現在の日本の高齢者が抱える問題をよりクリアに観客に見せる役目を果たしている。
この作品のメインキャラクターである恩田桃太郎と神崎仁、これがコミックそっくり!飛び出てきた以上に生き生きとしている。小池一郎の悩める姿は原作通り、いや生身の俳優が演じているので、かなりリアリティもあり、「こんな人、いるかも」と思わせてくれる。一人暮らしで元気だった恩田の知り合いの老人、立川らく朝演じる服部九作が、これもリアル感が強い。入居前は元気闊達であったのに入居した途端に弱々しくなっていく。人との交流がなく、刺激のない毎日を送ると心身共に衰えていくのは、すでに科学的に証明されているが、芝居とはいえ、そういったプロセスを目の当たりにすると、ちょっとやるせない。
しかし、重くはならないのは、恩田桃太郎の底抜けな明るさ、神崎仁の聡明さ、原作もそうだが、このキャラクターは、一種、一服の清涼剤のように観客を笑わせたり、ほっとさせたりする。また舞台だけのキャラクター、小池の同僚の新村薫、上田堪大が演じているのだが、ストーリーには直接絡まないものの、小池一郎というキャラクターを際立たせたり、あるいは「いる、いる、こういう人」といった共感を得やすい。職場にいる気になる女性職員に何かと絡む、軽い感じのキャラクターで舞台ではアクセント的存在。

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2.5news(編集部)

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