全く新しい舞台作品「手塚治虫 生誕90周年記念 MANGA Performance W3(ワンダースリー)」、この夏に初お目見え、その新しい表現、言葉以外の表現方法全てを縦横無尽に駆使して話題を集めた公演がこの11月3日より再び見参!ロングラン公演を行う。ノンバーバル(※)での表現、日本ではトップランナー的存在のウォーリー木下さんに、作品選びから、作品制作の過程、この秋からのロングラン公演について、ノンバーバルの可能性について語って頂きました。
「設定がシンプルなので、そこが『やれるかな』と思った大きい理由です」
木下:まず、最初にプロデューサーさんから「ノンバーバルで、何かやりたい」っていう話が来ました。僕は自分の THE ORIGINAL TEMPO っていうカンパニーでノンバーバルのオリジナル作品をやってまして、それで世界を回ったり、京都で現在公演中の「ギア」を立ち上げたりしてるのをご存知だったんです。言葉を使わない演劇、パフォーマンス、で海外の方にも楽しんで頂ける新しいショーが作れたらいいねと……プロデューサーさんもよくブロードウェイに行ってまして、「向こうで観た『◎◎』が面白いよね」みたいな話とかしてました。そういうものを、日本発でオリジナルで作れないかな、と。僕がホンを書くっていう案もあったんですけど、原作モノでいくつか候補もありまして、半年ぐらいは探してましたね。ある時に手塚プロダクションさんとお話をさせて頂き、その流れで「手塚作品でどうでしょう」……ノンバーバルに興味を持って頂きまして、そこでお会いしに行き、2、3回程ミーティングして、その中で「W3」が決まりました。
木下:正直、タイトル名しか知らなかったです、絵柄はわかってましたが。
木下:ハイハイ。でも流石に読んだことはなかったので、お借りして読んで、そうしたら面白かったので、「これはイケルんじゃないでしょうか」と……。
木下:ハイ。手塚さんは新しいことを取り入れるのに貪欲な人だったのでは?と思います。日本で初めて長編TVアニメシリーズを制作し、しかも自分でプロダクションまでつくっておやりになって……ご自分でマンガの中の表現も色々と開拓をして、例えばコマの使い方とか……フロンティア精神の凄くある人だったと思うんです。その中のひとつとして“ノンバーバルアニメーション”、台詞のないものに興味があったんだな、とは思います。実際、ご自身も「漫画って記号だから、言葉のないものを創れるんだ」みたいなことをおっしゃっている文章も読んだことがあります。とは言え、「W3」はガンガン台詞があるので、実際には……そこは苦労しました(笑)。
木下:めちゃくちゃ多いです、ハイ。
木下:ハイ!設定がシンプルなので、そこが「やれるかな」と思った大きい理由です。