コミックのエピソード、アンジーがグレアムともめて仲間から飛び出し、離島に運ばれてしまう下りやグレアムの生家と親戚、従姉のエイダ・ムアとの確執等が描かれている。原作は膨大なネーム、論理的で内省的、4人は何故、こんな生活を送るようになったのか、グレアムの父親は息子に対して威圧的かつ高圧的、さらにグレアムは片目を失明、アンジーは自己実現したい母親から捨てられてしまった。サーニンは父親によって監禁され、マックスは父親に首を締められかけた。そんなこんなで家を捨てた、捨てざるを得なかった4人のそれぞれの事情をわかりやすく描く。しかも自己憐憫にならず、一種、客観的に、クールに自分を見つめる。そしてここで描かれている大人達もまた、それぞれの事情を抱えている。ネグレクトと一言で片付けてしまうのは簡単、その大人たちもまた“不幸”、結局、悪人は誰もいない。そこにある深い哀しみ、そんなことをきっと独特の感性で気づいているのか、4人はそれでも前を向こうとする。