【3.0レポート】『天国の脚本家 冴嶋コーキ』 ~袖振り合うも多生の宴~

『天国の脚本家 冴嶋コーキ』 ~袖振り合うも多生の宴~

2015年に上演された「天国の脚本家 冴嶋コーキ」、新シナリオで「『天国の脚本家 冴嶋コーキ』~袖振り合うも多生の宴~」として、10月18日から22日まで東京・博品館劇場にて上演される。今回の脚本・演出はストレートで熱い作風を得意とする滝井サトル。
開演前、舞台中央には白い羽根のペン。そして幕が開く、ペンを走らせている 冴嶋コーキ(井深克彦)、書いている内容を語るが、そこに森一平(柏木佑介)が登場し、その内容に合わせて語り、動く。天国の脚本家は、その人物の人生を“書いて”いる。そこへ三途川渡(萩野崇)がやってきて森一平は交通事故に遭い、命を落とす。妹の四つ葉(新垣里沙)の結婚式を1週間後に控えての死は納得がいかないが運命には抗えない。次第に状況を受け入れようとするが、四つ葉の「決められた命日」が本人の結婚式当日!「なんとかしてくれ!」妹想いの一平は妹の運命を変えようとシナリオを冴嶋に書き換えさせようとするが……。熱いパッションの兄・一平を柏木佑介が演じているが、その懸命さを熱く表現する。この状況に、いわゆる“ひっかき回し”役、売出中の天国の脚本家・タラ(村上幸平)&レバ(藤田怜)、これは三途川渡の冴嶋コーキに向かって放たれた刺客的なポジション。彼らが書くシナリオはスピード感に溢れ、奇想天外、冴嶋コーキvsタラ&レバの脚本バトル合戦、応酬につぐ応酬、生きている人間、特に森家の次男、三男、そして四つ葉を巻き込んでの大騒動になるが、ここが抱腹絶倒で、彼らの書く内容がそのまま生きている人間の言動に繋がるので、観客の立場なら、お気楽に楽しく観られるが、これが実際に……だったら相当に大混乱!コント的な面白さもあり、“操られている?”次男の二郎(鷹松宏一)、三男の三太(松村泰一郎)、二郎は自身で劇団を立ち上げており、脚本もこなすが、その脚本を巡って劇団内は大騒ぎ、三太は警察官で、こちらはひょんなことで銀行強盗に遭遇、こちらもしっちゃかめっちゃかだ。四つ葉の結婚式も刻一刻と迫り、いよいよ結婚式当日を迎えるが、果たして結婚式は迎えらるのか、婚約者のイツキ(安達勇人)と無事に結ばれるのか、もう予測不能な展開。

Page: 1 2 3 4 5

2.5news(編集部)

2.5news(編集部)