脇を固める人物もなかなかの曲者揃い。理想を追い求めるヒール役のジェルマン(窪寺 昭)、コミカルな役どころのジャスパー(堀池直毅)、実直でパワフルなスペンス(岸本卓也)。また、この仮面舞踏会の主催者ジルコニア(関戸博一)の後半のはっちゃけぶりは開放感たっぷりだ。
推理小説的な展開もあり、目が離せない。登場人物も皆、どこか共感出来る人間らしい一面を見せてくれる。他にも、ダンス、殺陣と見どころは多く、それぞれの人物の心と心がぶつかり合うシーンは、思わず見入ってしまう。殺陣はジャパンアクションエンタープライズの六本木康弘、ひとつひとつの剣さばきも要チェック。仮面舞踏会の最初のシーンで楽師に“変装”したアインザッツ。太田基裕が披露する歌唱は見どころのひとつ。そして、人当たりが良く、社交界の人気者なレイジーを体現する染谷俊之、穏やかでお茶目なキャラを印象づける田川大樹、三者三様の持ち味を発揮する。アンサンブルの動きもレベルが高く、変幻自在。ゴージャスな衣裳も必見!およそ2時間の上演時間は、あっという間。